平成27年度 富士市立中央病院 病院指標

医療法における病院等の広告規制について（厚生労働省）
  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等（診療科別患者数上位３位まで）
  3. 初発の５大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞のICD10別患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等（診療科別患者数上位３位まで）
  7. その他（ＤＩＣ、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率）
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0～ 10～ 20～ 30～ 40～ 50～ 60～ 70～ 80～ 90～
患者数 1344 322 248 441 667 806 1716 2318 1871 486
【定義】
2015年度退院の患者さんを、10歳刻みに年齢階級別に集計している。年齢は入院時の満年齢。

【特徴】
年齢階層別患者数では、70代が最も多く、80代、60代と続き、60代以上が全体の60％を占めている。また0～9歳代の新生児、小児患者が多いことも特徴である。
診断群分類別患者数等（診療科別患者数上位３位まで）ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
040080x099x0xx 肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎 手術なし 278 17.5 14.34 11.0％ 78.60
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 169 24.3 21.69 23.0% 82.51
100070xxxxxxxx ２型糖尿病 97 14.93 15.35 0.0% 59.97
内科全体では、市中肺炎、誤嚥性肺炎による患者が最も多い。平均年齢も、70代後半から80代までとなっている。平均在院日数も全国平均より若干長い。また誤嚥性肺炎は平均年齢が高いこともあるが、退院後回復期や療養病棟へ転院する割合が2割ほどいる。
3番目に多い症例は2型糖尿病の管理入院となっている。在院日数は全国平均よりやや短めとなっている。
循環器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx99100x 狭心症、慢性虚血性心疾患 （心臓カテーテル） 297 3.16 3.07 3.0% 68.58
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 （経皮的冠動脈形成術等） 212 4.90 4.87 0.0％ 69.19
050130xx99000x 心不全 手術なし 93 14.48 18.3 2.15％ 81.91
循環器科では、狭心症・虚血性心疾患の心臓カテーテル、経皮的冠動脈形成術の症例が最も多くなっている。平均年齢は60代後半となっており、肺炎等と違い比較的若い年代で入院する。また、退院後ほとんどが在宅に帰る。在院日数も全国平均とほぼ同じ日数のため、治療期間は全国平均と同様となっている。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
040080x1xxx0xx 肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎（15歳未満） 手術なし 184 5.69 5.72 0.0％ 3.47
040100xxxxx00x 喘息 114 6.25 6.31 0.0％ 4.91
140010x199x00x 新生児疾患（黄疸、呼吸障害等） 113 6.56 6.17 0.0％ 0
小児科は、肺炎、喘息などの呼吸器系疾患が最も多い。在院日数は全国平均とほぼ同様のため、治療期間は全国平均同様となる。
3位の低出生体重や早産の新生児の在院日数も、全国平均日数とほぼ同様であった。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
060150xx03xx0x 虫垂炎 虫垂切除術　 47 5.51 5.56 0.0％ 34.89
060210xx99000x 腸閉塞 手術なし 42 8.12 9.17 2.38% 70.26
060330xx02xxxx 胆嚢疾患（胆嚢結石など） 腹腔鏡下手術 38 8.66 6.96 0.0％ 60.50
外科は、虫垂炎の手術目的の件数が最も多い。在院日数は全国平均とほぼ同様のため、治療期間は全国平均同様となる。また虫垂炎は平均年齢が若く、若年層に発症しやすい。2位は腸閉塞の管理目的の入院となる。平均年齢が高いが転院率は低い。また平均在院日数は全国平均より若干短い。3位は胆嚢炎や結石による手術目的の入院。在院日数は、全国平均より長いため、治療期間は全国平均より長い。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節大腿近位骨折　股関節手術（人工骨頭挿入術） 248 27.86 28.70 70.97% 82.04
160690xx99xx0x 胸椎、腰椎骨折 手術なし 31 24.13 21.52 29.0％ 65.81
07040xxx01xx0x 股関節症 股関節手術（人工関節再置換術等） 28 28.36 24.95 14.0％ 68.39
整形外科は股関節大腿近位骨折の人工骨頭挿入術による入院が最も多い。平均年齢も高く、術後のリハビリ目的のため、転院率も高くなっている。在院期間は全国平均とほぼ同様のため、治療期間期間は全国平均同様となる。
2位の腰椎、胸椎の骨折は手術はなく保存的治療であるが、平均年齢が低く受傷年齢が幅広いことが特徴といえる。
3位の股関節症については、1位同様人工骨頭挿入術が多い。在院日数は全国平均より長めとなっている。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
160610xx02xxxx 四肢損傷 腱縫合術等 10 15.0 10.62 0.0％ 42.40
080007xx010xxx 皮膚の良性腫瘍（摘出術） 9 3.44 4.38 0.0％ 44.44
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり 9 5.22 3.54 0.0％ 68.22
形成外科は、筋腱の損傷による入院が最も多い。平均年齢は40代と若い。在院日数は全国平均の半分程度であり、治療期間は全国平均より短い。
2位の皮膚の良性新生物の手術も平均年齢が若い。治療期間は全国平均と同様となる。
2位の眼瞼下垂の手術は治療期間が全国平均より長くなっている。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
160100xx99x00x 頭部外傷 手術なし 40 4.75 7.52 10.0％ 48.43
160100xx97x00x 頭部外傷 手術あり 38 6.97 10.02 5.26％ 70.79
010060x099000x 脳梗塞 手術なし 36 14.44 15.80 22.0％ 70.47
脳神経外科は頭蓋、頭蓋内損傷の症例が最も多い。1位は手術なしの症例で、2位は手術がある症例となる。両方の症例ともに平均在院日数が短く、治療期間が全国平均より短くなっている。また2位の手術あり症例では、平均年齢が高い傾向にある。3位の脳梗塞は在院期間が全国平均よりやや短く、治療期間は全国平均よりやや短い。術後のリハビリのため転院率も高くなっている。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍 開腹手術あり 75 9.45 10.18 0.0％ 47.24
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下手術あり 58 7.79 6.34 0.0％ 44.93
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 腹腔鏡下手術あり 58 6.45 6.5 0.0％ 40.17
産婦人科は集計条件から、婦人科系疾患のみとなる。
産婦人科は、1位2位ともに子宮の良性腫瘍疾患が最も多くなっている。1位が開腹手術、2位が腹腔鏡手術である。
全体的に平均年齢が若く、子宮筋腫や卵巣嚢腫は40代から60代までが多くみられる。開腹手術の在院日数は全国平均よりやや短いが、腹腔鏡手術は全国平均より長くなっている。3位の卵巣の良性腫瘍の治療期間は全国平均とほぼ同様である。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
020180xx97x0x0 糖尿病性増殖性網膜症 手術あり 12 5.42 8.62 0.0％ 59.92
020220xx97xxx0 緑内障 手術あり 9 5.67 9.57 0.0％ 66.78
020200xx9700xx 黄斑 手術あり 4 10.50 7.87 0.0％ 63.25
眼科はＤＰＣ対象外となる白内障の水晶体再建術による入院が最も多い。平均年齢も70代となっている。
1位の糖尿病網膜症は平均年齢が低く40代から60代が多くみられる。在院日数は全国平均より短いため、治療期間は全国平均より短くなっている。
2位の緑内障手術目的の入院では、在院日数は全国平均より短く、治療期間は全国平均より短い。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎　手術あり 91 8.30 7.76 0.0％ 58.51
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし 47 6.4 5.53 0.0％ 42.66
030230xxxxxxxx アデノイド扁桃炎 手術あり 44 8.18 8.2 0.0％ 12.00
耳鼻咽喉科は副鼻腔炎の手術目的の患者が最も多い。平均年齢は50代であり、10代から70代まで患者の年齢層は幅広い。
在院日数は2位の扁桃周囲膿瘍ともに全国平均より1日長い。
3位は小児のアデノイド切除目的の入院だが、在院日数は全国平均同様である。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
080011xx99xxxx 蜂巣炎 手術なし 16 12.44 11.97 6.0％ 67
070560xx99x0xx 自己免疫性疾患 手術なし 2 14.0 18.15 0.0％ 36.5
080250xx99x1xx 褥瘡潰瘍 手術なし 2 43.5 36.16 100％ 80.5
皮膚科は、急性膿皮症（蜂巣炎等）の管理入院が最も多い。在院日数は全国平均より1日長い。
2位の褥瘡潰瘍は、平均年齢が高く、在院日数は全国平均より長いため、治療期間は全国平均より長い。また症例数が少ないため転院率が高く表示されている。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx0200xx 膀胱腫瘍 経尿道的手術 115 9.96 7.59 0.0％ 74.72
110200xx02xxxx 前立腺肥大症 経尿道的手術 35 10.57 10.25 0.0％ 72.46
11013xxx06xxxx 尿路・膀胱結石 経尿道的手術 17 5.76 6.01 0.0％ 71.18
泌尿器科は、膀胱腫瘍の経尿道的膀胱悪性腫瘍手術が最も多い。在院機関は全国平均より2日長いため、治療期間は全国平均より長い。
2位の前立腺肥大症の手術については、治療期間は全国平均と同様である。
1位から3位まで平均年齢が高く70代が最も多くなっている。
初発の５大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準（※）		 版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 21 13 13 14 4 21 1 7版
大腸癌 18 18 27 16 31 55 1 7版
乳癌 23 18 3 4 4 14 1 7版
肺癌 4 0 3 15 11 18 1 7版
肝癌 8 5 6 5 5 47 1 7版
※ 1：UICC TNM分類，2：癌取扱い規約
胃癌はステージ1の割合がもっとも高い。入院患者構成でみると7割以上が初発の患者となっている。
大腸癌はステージ3の患者割合がもっとも高い。入院患者構成でみると6割程度の患者が初発となっている。
乳癌は、ステージ1,2の患者が8割以上を占める。入院患者構成でみると胃癌同様7割以上の患者が初発となっている。
肺癌は、ステージ4の患者割合が最も高い。入院患者構成では再発の割合が高い。
肝癌は、ステージ1の患者割合が最も高い。入院患者構成では再発の割合が5大癌の中で最も高く、転移性病変が多いことが要因。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数		 平均年齢
重症度 0 16 12.31 49.94
重症度 1 59 14.15 71.86
重症度 2 93 18.70 83.26
重症度 3 53 20.91 84.30
重症度 4 17 17.88 88.59
重症度 5 2 18.50 89.00
不明 8 9.63 76.88
【定義】
成人市中肺炎診療ガイドライン （日本呼吸器学会）による重症度分類を用いて集計。年齢、脱水状態、SpO2、意識障害、血圧を元に重症度を判別する。対象の肺炎は市中肺炎のみで、誤嚥性肺炎、ウイルス性肺炎、気管支炎は除く。

【特徴】
重症度1～2の中等症の患者が最も多い。軽症の患者の平均年齢が50歳ほどであるのに比べ、中等症～超重症になるほど高齢の患者さんが多くなっている。
脳梗塞のICD10別患者数等ファイルをダウンロード
ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
G45$ 一過性脳虚血発作及び関連症候群 3日以内 20 5.52 72.65 4.8％
その他 1 2 80 0.0％
G46$ 脳血管疾患における脳の血管(性)症候群 3日以内 0 0 0 0.0％
その他 0 0 0 0.0％
I63$ 脳梗塞 3日以内 158 21.66 75.81 36.5％
その他 9 17.56 70.44 0.6％
I65$ 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄，脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 0 0 0 0.0％
その他 2 12.5 57.5 0.0％
I66$ 脳動脈の閉塞及び狭窄，脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 4 10 55 0.0％
その他 0 0 0 0.0％
I675 もやもや病<ウイリス動脈輪閉塞症> 3日以内 1 3 6 0.0％
その他 0 0 0 0.0％
I679 脳血管疾患，詳細不明 3日以内 0 0 0 0.0％
その他 0 0 0 0.0％
発症から3日以内の脳梗塞の患者が全体の9割を占めている。平均年齢は70代であり、脳梗塞は術後のリハビリや療養目的のために転院率が高くなっている。
診療科別主要手術別患者数等（診療科別患者数上位３位まで）ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術（長径２ｃｍ未満） 161 1.73 2.33 0.0％ 66.64
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 109 2.32 15.33 6.42％ 77.08
K654 内視鏡的消化管止血術 98 1.6 15.88 11.22％ 70.9
内科の手術は、主に消化器内科が内視鏡室で行う、消化管のポリープ切除や止血術、胆道ステントなどである。
最も多いのは内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術（長径２ｃｍ未満）である。
大腸は消化管（食道～肛門）の中でポリープができる好発部位である。大腸ポリープは通常無症状だが、大きいものでは血便や下血をきたすこともある。診断には内視鏡検査が有用で、大きさや粘膜表面の形態などから治療方針を決定する。
循環器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術（その他） 182 2.11 2.12 0.00％ 69.26
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術（急性心筋梗塞） 75 0.01 11.61 1.33％ 64.85
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術（不安定狭心症） 47 0.09 10.98 2.13％ 69.49
循環器科で最も多いの手術は、心臓カテーテルで行う、経皮的冠動脈ステント留置術である。
狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患に対して、カテーテルで狭窄部位を機器を使って血管を広げたり、再灌流させる治療法を経皮的冠動脈インターベイション（ＰＣＩ）という。経皮的冠動脈ステント留置術はPCIの一つの方法で、冠動脈血管を拡張後、再度狭窄しないようにステントという器具で補強する方法である。
小児科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K9131 新生児仮死蘇生術（仮死第１度） 59 0.00 11.15 0.00％ 0.00
K9132 新生児仮死蘇生術（仮死第２度） 18 0.00 7.17 27.78％ 0.00
K7151 腸閉塞症手術（腸重積症整復術）（非観血的）等 2 0.00 1.00 0.00％ 2.50
小児科で最も多いのは新生児の仮死蘇生術である。仮死2度と重篤な場合は転院率も高くなる。
新生児にみられる呼吸障害、循環障害、筋緊張の減弱、痙攣などの呼吸循環不全を主徴とする症候群を新生児仮死と言う。
新生児仮死に対しては救命のため、ならびに神経障害を最小限にとどめるため、速やかに新生児仮死蘇生術（保温、体位保持、気道開通、皮膚乾燥、人工呼吸などの蘇生措置）を施す必要がある。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K6335 鼠径ヘルニア手術 67 1.25 2.60 1.49％ 67.37
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 53 2.13 4.96 0.00％ 60.17
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術（両側） 36 1.64 2.50 0.00％ 64.11
外科で最も多いのは、鼠径ヘルニア手術である。3位にも腹腔鏡による鼠径ヘルニア手術がある。
鼠径ヘルニアは、腹部のヘルニアの中で最も頻度が高い疾患である。ヘルニアの手術は人工のメッシュを入れ筋膜を補強するメッシュ法が行われている。
2位には腹腔鏡下胆嚢摘出術、3位に腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術（両側）と腹腔鏡の手術となる。
腹腔鏡とはお臍と左右下腹部に3〜4カ所5mm〜1cmの小さな穴を開け、炭酸ガスを入れたりお腹を吊り上げたりしてスペースを作り、そこから筒状のスコープや器具を入れて手術を行う術式である。術後の疼痛が軽く、入院期間や回復期間が短縮されるメリットがある。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術（肩甲骨）等 157 4.82 19.66 62.42% 79.85
K0811 人工骨頭挿入術（肩）等 89 6.12 21.71 79.78％ 81.04
K0462 骨折観血的手術（前腕）等 38 2.42 12.55 13.16％ 59.45
整形外科で最も多いのは、大腿骨と上腕の観血的整復術である。整形外科の手術は平均年齢が高く、また術後のリハビリのため術後の転院率が高くなっている。
骨折の観血的手術は、骨折した部位を開き、直接骨折の整復と内固定を行う方法である。内固定の材料としては、金属性のプレートや釘やスクリューなどである。
2位の人工骨頭挿入術は主に大腿骨の骨頭（太ももの付け根部分に当たる骨盤と大腿骨をつなぐ部分の骨）を金属、セラミックなどでできた人工骨頭に入れる手術である。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K013-21 全層植皮術（２５ｃｍ２未満） 12 0.08 7.42 0.00％ 68.33
K037 腱縫合術（指）等 9 0.22 16.33 0.00％ 41.56
K0301 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術（肩）等 7 0.86 3.86 0.00％ 56.57
形成外科では全層植皮術が最も多い。
全層植皮術は自分の体から採取された皮膚を移植する自家植皮である。植皮の原因となる皮膚欠損の原因には、熱傷、外傷、腫瘍除去後の欠損などがある。
当院の全層植皮術の症例としては、皮膚の腫瘍除去後の欠損である。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫洗浄・除去術（穿頭）等 32 0.81 7.78 3.13％ 78.22
K1781 脳血管内手術（１箇所） 20 0.80 23.55 20.00％ 57.95
K664 胃瘻造設術（経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む） 9 26.44 20.89 77.78％ 77.56
脳神経外科では、慢性硬膜下血腫洗浄・除去術（穿頭）等が最も多い。
慢性硬膜下血腫は外傷などにより、受傷後3週間以降に頭痛や運動麻痺、認知障害等が発生し発見されることが多い。慢性硬膜下血腫洗浄・除去術（穿頭）は頭蓋骨に穴をあけて、血腫の吸引や洗浄を行う手術法である。
2位の脳血管手術は、脳動脈瘤等の血管異常に対して、血管内手術カテーテルを使用し、動脈瘤を凝固目的にコイルを挿入する手術法である。
3位の胃瘻造設術は、脳血管疾患後の栄養管理をするため、腹部から直接胃に対して経路を作る手術である。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K877 子宮全摘術 74 1.64 7.20 0.00％ 50.04
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術（両側）（腹腔鏡） 71 1.35 4.44 0.00％ 41.08
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 60 1.63 5.32 0.00％ 46.80
産婦人科では、DPC対象となる婦人科系疾患のみとなる。
産婦人科は、子宮全摘術が最も多い。子宮全摘術は子宮筋腫や子宮腺筋症などの良性腫瘍に対する術式である。3位には腹腔鏡による子宮全摘手術がある。
子宮筋腫は、婦人科系疾患の中で最も多い疾患であり、生殖年齢の女性の20～30％にみられるとされる。発生部位はほとんどは子宮体部に発生し、多発することが多い。症状としては貧血、過多月経、不正性器出血、月経困難などがある。
2位の子宮附属器腫瘍摘出術は卵巣嚢腫などの良性腫瘍に行われる。また手術は腹腔鏡で行われる件数の方が多い。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ﾛ 水晶体再建術　眼内レンズを挿入する場合　その他のもの 187 0.02 2.00 0.53％ 71.73
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術（網膜付着組織を含む） 14 0.00 6.64 0.00％ 60.79
K281 増殖性硝子体網膜症手術 7 0.43 4.00 0.00％ 55.71
眼科は、水晶体再建術　眼内レンズを挿入する場合　が最も多い。眼科の入院症例の約8割が当該手術目的の入院である。
水晶体再建術（眼内レンズを挿入する場合）は主に白内障に対して行う手術である。
白内障は、眼の中のレンズの役割をする水晶体が濁ってしまう病気であり、加齢に伴って発生する場合が最も一般的である。
白内障手術は、濁ってしまった水晶体を除去し、網膜に焦点が合うように、人工的なレンズ（眼内レンズ）を挿入する術式である
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術４型（汎副鼻腔手術） 60 1.27 6.15 0.00％ 56.60
K3772 口蓋扁桃手術（摘出）等 42 1.07 6.29 0.00％ 15.07
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術３型（選択的（複数洞）副鼻腔手術） 17 1.06 6.06 0.00％ 62.24
耳鼻咽喉科では内視鏡下鼻・副鼻腔手術４型（汎副鼻腔手術）が最も多い。3位にも同様に内視鏡下の副鼻腔手術がある。
内視鏡下鼻・副鼻腔手術４型（汎副鼻腔手術）は、慢性副鼻腔炎に対して行う手術である。
副鼻腔の構造は、前頭洞、篩骨洞、上顎洞、蝶形骨洞の4つの空洞が左右それぞれにある。内視鏡下副鼻腔手術は副鼻腔の洞の粘膜を切除などをし、各洞の炎症を治療する術式である。また副鼻腔手術は、4つの洞への組み合わせにより1～5型まである。当院で最も多い4型は、片方の4つの洞すべてに治療する術式である。
皮膚科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K013-22 全層植皮術（２５ｃｍ２以上１００ｃｍ２未満） 2 0.00 7.00 0.00％ 81.50
皮膚科の手術では、全層植皮術（２５ｃｍ２以上１００ｃｍ２未満）が最も多い。
対象の症例は、皮膚癌の切除後の皮膚欠損のため行われている。
皮膚がんは、代表的なものでは基底細胞がん、有棘細胞がん、悪性黒色腫(メラノーマ)などがあり、日本人に最も多いのは、基底細胞がんと言われている。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K8036ﾛ 膀胱悪性腫瘍手術　経尿道的手術　その他のもの 119 2.14 7.64 0.00％ 74.85
K8412 経尿道的前立腺手術（その他） 35 2.20 7.37 0.00％ 72.46
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 21 2.81 12.76 9.52％ 73.38
泌尿器科の手術では、膀胱悪性腫瘍手術（経尿道的手術）が最も多い。
膀胱癌は表在性膀胱癌と、浸潤性膀胱癌に分けられる。経尿道的膀胱腫瘍切除術は、手術用内視鏡を尿道から膀胱内に挿入し開腹せずに膀胱腫瘍を切除する術式である。切除した腫瘍が表在性膀胱癌であれば、根治的治療となり、浸潤性膀胱癌の場合は、がんの状態を評価して今後の治療方針を決定するために必要な手術となる。
2位の経尿道的前立腺手術は前立腺肥大症に対して行われる術式である。尿道から手術用内視鏡を挿入し、肥大した前立腺を切り取る術式である。
その他（ＤＩＣ、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率）ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 7 0.07％
異なる 19 0.19％
180010 敗血症 同一 15 0.15％
異なる 50 0.49％
180035 その他の真菌感染症 同一 1 0.01％
異なる 12 0.12％
180040 手術・処置等の合併症 同一 33 0.32％
異なる 21 0.21％
入院の契機となる病名と重篤な疾患が同一の場合は、入院時に発症していることとなるが、異なる場合は入院中の経過により発生した可能性がある。
臨床上ゼロにはなりえないものの少しでも改善すべきものとして、重篤な疾患である敗血症、播種性血管内凝固症候群、その他の真菌症について発症率を指標として集計している。
播種性血管内凝固症候群、敗血症は、DPCでも高い点数が設定されており、病名は基準に基づいてつけることを求められている。
手術・処置等の合併症は、手術や処置などに一定割合で発生してしまう病態で、術後出血や創部感染、創部離解などが挙げられる。合併症はどのような術式、患者でも一定の確率で起こり得るもので医療ミスとは異なる。
更新履歴
2016/9/27
機能評価係数２の保険診療指数における「病院情報」を公開しました。