令和３年度 富士市立中央病院 病院指標

医療法における病院等の広告規制について（厚生労働省）
  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等（診療科別患者数上位５位まで）
  3. 初発の５大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等（診療科別患者数上位５位まで）
  7. その他（ＤＩＣ、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率）
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0～ 10～ 20～ 30～ 40～ 50～ 60～ 70～ 80～ 90～
患者数 487 162 372 664 686 976 1333 2542 1940 466
【定義】
2021年度退院の患者を、10歳刻みに年齢階級別に集計している。年齢は入院時の満年齢。

【特徴】
年齢階層別患者数では、70代が最も多く、80代、60代と続き、60代以上が全体の65％を占めている。また0～9歳代の新生児、小児患者が多いことも特徴である。
診断群分類別患者数等（診療科別患者数上位５位まで）ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xx0x 大腸ポリープ（内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術） 214 3.44 2.65 0.00 69.97
060340xx03x00x 胆管（肝内外）結石、胆管炎 102 12.76 9.21 0.98 74.81
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 98 27.56 20.57 30.61 81.5
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病 85 12.41 14.41 2.35 67.04
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路感染症 72 16.38 13.14 9.72 79.01
内科全体では、大腸ポリープ切除による患者が最も多い。平均年齢は69.97歳となっている。平均在院日数は全国平均が2.6日に対して3.4日と長い。
2番目に多い症例は,消化器疾患の胆管結石、胆管炎、胆嚢炎となっている。治療は内視鏡による治療が行われている。
3番目に多いのは誤嚥性肺炎となっている。誤嚥性肺炎は平均年齢が高く、退院後回復期や療養病棟へ転院する割合が他の疾患に比べ高い。
4番目には2型糖尿病、5番目に腎臓または尿路肝炎の治療目的入院となっている
循環器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx99100x 狭心症（心臓カテーテル検査あり） 181 3.14 3.06 0.55 69.26
050050xx02000x 狭心症（経皮的冠動脈形成術等あり） 178 3.97 4.36 0.00 71.51
050130xx99000x 心不全 96 14.91 17.35 9.38 81.38
050030xx97000x 急性心筋梗塞 89 8.76 11.87 0.00 68.54
050050xx99200x 狭心症（心臓カテーテル検査あり）（透析等処置あり） 66 3.03 3.27 1.52 69.68
循環器科では、狭心症・虚血性心疾患の心臓カテーテル、経皮的冠動脈形成術の症例が最も多くなっている。平均年齢は60代後半となっており、肺炎等と違い比較的若い年代で入院する。また、退院後ほとんどが在宅に帰る。在院日数も全国平均とほぼ同じ日数のため、治療期間は全国平均と同様となっている。心不全は今年度3番目に多いが、平均年齢は高く、治療期間は全国平均とほぼ同じとなっている。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x00x 新生児疾患（低出生体重児、黄疸、呼吸障害等）（2500ｇ以上） 55 6.47 6.13 3.64 0
080270xxxx1xxx 食物アレルギー負荷試験 51 1.02 2.13 0.00 2.9
040090xxxxxx0x 急性気管支炎 25 4.8 5.83 0.00 0.88
150040xxxxx0xx 熱性けいれん 21 3.38 3.83 4.76 2.14
040100xxxxx00x 喘息発作 19 6.21 6.24 0.00 3.26
小児科はで、最も多い入院は、出産に関連する低出生体重や早産等新生児疾患となっている。在院日数は、全国平均日数よりやや長く入院している。
2位に食物アレルギー負荷試験のための入院である。一日の入院だが全国平均より短めで退院している。3位、急性気管支炎、4位に熱性けいれん、5位に喘息発作となっている。いずれの疾患も全国平均と同等の入院期間で退院できている。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア（15歳以上） ヘルニア手術 78 4.53 4.74 0.00 71.08
060210xx99000x 腸閉塞 38 9.68 9 2.63 6863
060035xx010x0x 結腸（虫垂を含む。）の悪性腫瘍　手術あり 37 19.08 15.76 2.70 72.86
060100xx01xxxx 大腸ポリープ（内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術） 30 4.03 2.65 0.00 72.03
060150xx99xx0x 虫垂炎 29 7.31 7.31 0.00 48.52
外科では鼠径ヘルニアによる入院が最も多い。鼠径ヘルニアは、腹部で起きるヘルニアのうち8割～9割を占める。一般的に成人の手術では、腹壁の弱くなった部分を人工的なシートで補強する手術が行われる。
2位は、腸閉塞、3位は結腸の悪性腫瘍入院である。検査や化学療法の目的の入院となる。
4位は大腸ポリープの内視鏡的切除目的の入院。5位は虫垂炎の保存的加療である。
結腸の悪性腫瘍の手術症例と大腸ポリープの内視鏡的切除の症例については、全国と比較して入院期間がやや長い傾向にある。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 大腿骨近位骨折（人工骨頭挿入術） 167 29.1 25.32 67.07 81.34
160760xx97xxxx 前腕骨折（手術あり） 41 5.17 4.99 2.44 48.8
07040xxx01xxxx 股関節症（変形性を含む。） 人工関節再置換術等 35 23.08 20.63 14.29 66.77
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷 26 27.5 19.34 57.69 74.35
160800xx99xxxx 股関節・大腿近位の骨折 18 12.17 15.02 38.89 83.56
整形外科は股関節大腿近位骨折の人工骨頭挿入術による入院が最も多い。平均年齢も高く、術後のリハビリ目的のため、転院率も高くなっている。平均在院日数は全国平均より長いため、治療期間はやや長めとなっている。
2位の前腕骨折の手術目的入院である。治療期間は全国平均よりやや長くなっている。
3位の股関節症については、1位同様人工関節の手術が多い。在院日数は全国平均よりやや長めとなっている。
4位の胸椎、腰椎の入院は、手術はなく保存的治療である。1位の大腿骨近位骨折同様平均年齢が高く、リハビリ目的の転院率が高くなっている。
5位の股関節・大腿骨の骨折は、在院日数はやや短いが、1位や4位の症例同様、転院での経過をたどる割合が高い。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
160780xx97xx0x 手関節周辺骨折脱臼（手術あり） 21 2.95 4.23 0.00 45.57
160610xx97xxxx 四肢筋腱損傷（手術あり） 14 6.71 9.52 0.00 65
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍　手術 12 7.08 7.68 0.00 77.42
070010xx010xxx 骨軟部良性腫瘍 10 3.9 5.49 0.00 51.1
020230xx97x0xx 眼瞼下垂（手術あり） 8 2.13 2.94 0.00 70.75
形成外科では、手関節周辺の骨折手術目的による入院が最も多い。外傷は仕事による怪我などもあるため平均年齢は低くなっている。
1位2位ともに外傷による症例となっている。
3位は皮膚の悪性腫瘍の手術目的の入院、4位は軟部（皮膚の下にある筋肉、脂肪、血管など）の良性腫瘍、5位は眼瞼下垂の手術となっている。
上位5位まで、平均在院日数は全国平均よりやや短く、治療期間は全国より短めとなっている。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫　JCS10未満 35 20.83 18.9 37.14 67.09
160100xx97x00x 頭蓋内損傷（手術あり） 28 7.71 9.78 3.57 77.39
160100xx99x00x 頭蓋内損傷（手術なし） 24 5.25 8.3 4.17 53.83
010030xx9910xx 未破裂脳動脈瘤（手術なし） 17 2 2.99 0.00 56.65
010040x199x0xx 非外傷性頭蓋内血腫　JCS10以上 15 13.06 22.42 26.67 77.07
脳神経外科は非外傷性頭蓋内血腫の入院の症例が最も多い。1位は非外傷性頭蓋内血腫は、外傷によらない脳内出血（視床出血や小脳出血等）である。非外傷性頭蓋内血腫は平均年齢も低く、リハビリのため転院率も高くなっている。5位は同様に非外傷性血腫だが意識レベルが悪い症例となる。
2位、3位は頭蓋内損傷の症例である。2位が手術がある症例で、3位は手術がない症例となる。両方の症例ともに平均在院日数は全国平均より短くなっている。また2位の手術あり症例では、平均年齢が高い。
3位は未破裂脳動脈瘤の、検査目的の入院である。
脳神経外科の上位5位までの疾患は、1位の疾患を除き、治療期間は全国よりやや短めとなっている。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 102 5.73 6.04 0.00 46.82
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍　腹腔鏡手術 90 5.4 6.11 1.11 41.62
120260xx99xxxx 分娩の異常 86 5.38 4.72 3.49 31
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常　手術あり 83 7.06 9.39 0.00 32.82
120070xx02xxxx 胎児及び胎児付属物の異常　手術なし 72 6.36 6.01 0.00 31.22
産婦人科は、1位2位ともに子宮・卵巣の手術症例となっている。両方とも腹腔鏡による手術症例となっている。
3位から5位までは出産にかかわる合併症が症例となっている。前期破水や微弱陣痛、帝王切開の症例などである。
婦人科の特性上平均年齢が低く、子宮筋腫や卵巣のう腫などの子宮、卵巣の良性腫瘍は40代から60代までが多くみられる。
上位5位までの平均在院日数は、全国平均とほぼ同じであり、治療期間は全国と同じである。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障（手術あり、片眼） 192 2.41 2.71 0.00 73.14
020220xx97xxx0 緑内障（手術あり、片眼） 14 3.14 5.41 0.00 74.29
020220xx01xxx0 緑内障 （緑内障手術　濾過手術） 5 4.8 9.47 0.00 73.2
020320xx99xxxx 眼瞼、涙器、眼窩の疾患 4 2.75 3.11 0.00 6.75
020180xx97x0x0 糖尿病性増殖性網膜症 3 16.38 6.59 0.00 75.33
眼科は白内障の片目の水晶体再建術による入院が最も多く、大部分を占める。平均年齢も70代となっている。
2位と3位のの緑内障手術目的の入院では、平均在院日数は全国平均よりやや短く、治療期間は全国平均より短くなっている。
4位の眼瞼、涙器、眼窩の疾患は内反症などの疾患である。5位は糖尿病に伴う網膜症で、症例数は少ないが在院日数はやや長めとなっている。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 82 5.8 6.47 0.00 57.49
030240xx99xxxx 急性扁桃炎、扁桃周囲膿瘍 42 5.86 5.71 0.00 53.64
030400xx99xxxx めまい症 30 6.2 4.92 3.33 66.63
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイド疾患 24 8.38 7.84 0.00 20.33
030428xxxxxxxx 突発性難聴 20 8.25 8.75 0.00 60.2
耳鼻咽喉科は副鼻腔炎の手術目的の患者が最も多い。平均年齢は50代であり、10代から80代まで患者の年齢層は幅広い。
2位の急性扁桃炎等は、平均年齢が低く、慢性副鼻腔炎同様、年齢層は幅広くなっている。
3位はめまい症は、平均在院日数が全国平均よりやや長く、治療期間が長くなっている。
4位は、小児のアデノイド切除目的の入院だが、在院日数は全国平均よりやや長く、治療期間も長くなっている。
5位突発性難聴は、平均在院日数は、全国平均よりやや短く、治療期間も短くなっている。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
080010xxxx0xxx 急性膿皮症（手術なし） 7 13.14 13.07 0.00 68
080110xxxxx0xx 水疱症 4 28.25 29.17 0.00 73.5
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 3 7.67 9.22 0.00 71.33
080006xx01x0xx 皮膚悪性腫瘍 1 5 7.68 0.00 84
161070xxxxx00x 薬物中毒 1 21 11.44 0.00 44
皮膚科では、急性膿皮症（蜂窩織炎、丹毒等）の疾患が最も多い。平均在院日数は、全国平均と概ね同様である。。
2位は水疱症（天疱瘡、類天疱瘡）は、平均年齢は高いが、平均在院日数は、全国平均より短く、治療期間は短くなっている。
3位は帯状疱疹による入院であるが全国平均よりやや短い入院期間である。
皮膚の悪性腫瘍は、手術目的の入院となっており、薬物中毒は、薬剤の副作用である皮膚の障害（薬疹）の治療目的の入院である。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍（手術あり） 68 6.99 7.02 1.47 77.04
110070xx03x20x 膀胱腫瘍（手術、化学療法あり） 61 6.79 6.86 0.00 72.59
11012xxx020x0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 34 4.53 5.56 0.00 62.15
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍（前立腺生検） 34 3.47 2.5 0.00 75.24
110200xx02xxxx 前立腺肥大症（手術あり） 34 7.53 8.23 0.00 71.94
泌尿器科は、膀胱腫瘍の経尿道的膀胱悪性腫瘍手術が最も多い。治療期間は全国平均と同様となっている。
2位は膀胱腫瘍の経尿道的膀胱悪性腫瘍手術と、化学療法を行った症例である。
3位は尿路結石などの治療目的の入院である。主な治療は手術で行われている。
4位は前立腺がんの、検査目的の入院である。前立腺への針を使った検査を行っている。
5位は前立腺肥大症の手術症例である。
上位5位までの平均在院日数は、いずれも全国平均とほぼ同じであり、治療期間は全国と同じである。
初発の５大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準（※）		 版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 21 3 7 21 21 24 1 8
大腸癌 36 31 38 38 43 53 1 8
乳癌 17 28 7 8 2 27 1 8
肺癌 5 12 34 19 18 1 8
肝癌 7 7 1 4 6 48 1 8
※ 1：UICC TNM分類，2：癌取扱い規約
5大癌の中では、大腸癌による入院が最も多い。
胃癌と大腸癌はステージ4の割合がもっとも高い。理由として、化学療法などの目的のため入院を繰り返すためである。
乳癌は、ステージ1,2の患者が6割以上を占める。胃癌同様乳がん検診などで早期に発見されることが考えられる。
肺癌は、ステージ4の患者割合が最も高い。進行後に入院するケースが多いといえる。
肝癌は、ステージ2の患者割合が最も高い。転移性病変が多いことも特徴である。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数		 平均年齢
軽症 9 18.22 62.22
中等症 106 18.61 79.54
重症 44 26.68 84.02
超重症 17 19.35 83.82
不明
【定義】
成人市中肺炎診療ガイドライン （日本呼吸器学会）による重症度分類を用いて集計。年齢、脱水状態、SpO2、意識障害、血圧を元に重症度を判別する。対象の肺炎は市中肺炎のみで、誤嚥性肺炎、ウイルス性肺炎、気管支炎は除く。

【特徴】
中等症の患者が最も多い。軽症の患者の平均年齢が60歳代であるのに比べ、中等症～超重症になるほど高齢の患者が多くなっている。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 169 24.01 74.07 36.69
その他 21 26.48 71.57 52.38
発症から3日以内の脳梗塞の患者が全体の9割を占めている。平均年齢は70代であり、脳梗塞は術後のリハビリや療養目的のために転院率が高くなっている。
診療科別主要手術別患者数等（診療科別患者数上位５位まで）ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術（長径２ｃｍ未満） 198 1.45 1.45 0.00 70.44
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 99 2.86 19.14 7.07 79.22
K6121ｲ 末梢動静脈瘻造設術（内シャント造設術）（単純） 72 11.6 16.25 5.56 70.32
K654ｲ 内視鏡的消化管止血術 60 1.52 13.17 8.33 75.12
K708-3 内視鏡的膵管ステント留置術 36 4.28 17.42 5.56 72.78
内科の手術は、主に消化器内科が内視鏡室で行う、消化管のポリープ切除や止血術、胆道ステントなどである。
最も多いのは内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術（長径２ｃｍ未満）である。
大腸は消化管（食道～肛門）の中でポリープができる好発部位である。大腸ポリープは通常無症状だが、大きいものでは血便や下血をきたすこともある。診断には内視鏡検査が有用で、大きさや粘膜表面の形態などから治療方針を決定する。
2位の内視鏡的胆道ステント留置術は、胆管・膵管の閉塞部位にステントというストロー状の短い管を入れて、胆汁や膵液の流れを良くする治療である。
3位の末梢動静脈瘻造設術（内シャント造設術）は透析導入時に、腕に回路をつくる手術である
循環器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術（その他） 143 1.75 1.72 0.00 71.75
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術（急性心筋梗塞） 82 0 9.93 2.44 68.07
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術（心房中隔穿刺、心外膜アプローチ） 53 1 2.17 0.00 65.98
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 32 1.16 2.69 3.13 69.22
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術（不安定狭心症） 30 0.43 7.03 0.00 69.9
循環器科で最も多いの手術は、心臓カテーテルで行う、経皮的冠動脈ステント留置術である。
狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患に対して、カテーテルで狭窄部位の血管を機器を使って広げたり、再灌流させる治療法を経皮的冠動脈インターベイション（ＰＣＩ）という。経皮的冠動脈ステント留置術はPCIの一つの方法で、冠動脈血管を拡張後、再度狭窄しないようにステントという器具で補強する方法である。
小児科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K9131 新生児仮死蘇生術（仮死第１度） 8 0 3.5 12.50 0
K9132 新生児仮死蘇生術（仮死第２度） 7 0 2.29 42.86 0
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術（長径２ｃｍ未満） 1 1 1 0.00 12
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術（長径２ｃｍ以上） 1 1 1 0.00 3
小児科で最も多いのは新生児の仮死蘇生術である。仮死2度と重篤な場合は転院率も高くなる。
新生児にみられる呼吸障害、循環障害、筋緊張の減弱、痙攣などの呼吸循環不全を主徴とする症候群を新生児仮死と言う。
新生児仮死に対しては救命のため、ならびに神経障害を最小限にとどめるため、速やかに新生児仮死蘇生術（保温、体位保持、気道開通、皮膚乾燥、人工呼吸などの蘇生措置）を施す必要がある。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K6335 鼠径ヘルニア手術 78 1.53 2 0.00 71.08
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 54 2.39 3.87 0.00 61.72
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術（長径２ｃｍ未満） 34 1.59 1.38 0.00 72.53
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 30 5.33 14.73 0.00 73.8
K7193 結腸切除術（全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術） 23 4.91 17.26 4.35 74.39
外科で最も多いのは、鼠径ヘルニア手術である。鼠径ヘルニアは、腹部のヘルニアの中で最も頻度が高い疾患である。ヘルニアの手術は人工のメッシュを入れ筋膜を補強するメッシュ法が行われている。
2位は腹腔鏡下胆嚢摘出術である。腹腔鏡とはお臍と左右下腹部に3〜4カ所5mm〜1cmの小さな穴を開け、炭酸ガスを入れたりお腹を吊り上げたりしてスペースを作り、そこから筒状のスコープや器具を入れて手術を行う術式である。術後の疼痛が軽く、入院期間や回復期間が短縮されるメリットがある。腹腔鏡下の胆嚢摘出術は腹腔鏡手術の先駆けであり、その後胃、大腸などの手術に広く応用されている。
3位は内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術（長径２ｃｍ未満）は、内視鏡による大腸ポリープの切除術である。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術（肩甲骨，上腕，大腿） 87 4.01 21.23 57.47 77.82
K0811 人工骨頭挿入術（肩，股） 87 5.62 34.52 70.11 81.48
K0821 人工関節置換術（肩，股，膝） 53 2.3 24.64 16.98 69.51
K0462 骨折観血的手術 43 3.42 10.72 9.30 58.58
K0483 骨内異物（挿入物を含む。）除去術 15 0.47 1.27 0.00 46.2
整形外科で最も多いのは、大腿骨と上腕の観血的整復術である。整形外科の手術は平均年齢が高く、また術後のリハビリのため術後の転院率が高くなっている。
骨折の観血的手術は、骨折した部位を開き、直接骨折の整復と内固定を行う方法である。内固定の材料としては、金属性のプレートや釘やスクリューなどである。
2位の人工骨頭挿入術は主に大腿骨の骨頭（太ももの付け根部分に当たる骨盤と大腿骨をつなぐ部分の骨）を金属、セラミックなどでできた人工骨頭に入れかえる手術である。3位の人工関節置換も大腿骨の手術である。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K016 動脈（皮）弁術、筋（皮）弁術 13 1.23 7.08 0.00 71.85
K0463 骨折観血的手術 12 0.08 2.08 0.00 49.17
K0301 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術 10 1 1.9 0.00 51.1
K2191 眼瞼下垂症手術（眼瞼挙筋前転法） 8 0 1.13 0.00 70.75
K028 腱鞘切開術（関節鏡下によるものを含む。） 7 1 1 0.00 12.86
形成外科では動脈（皮）弁術、筋（皮）弁術 が最も多い。
皮弁といわれる血流のある皮膚・皮下組織や深部組織を動かして、広い範囲の皮膚の欠損などを補修する術式である。
2位の骨折観血的手術は、外傷により、手の骨折が発生した場合、骨折の修復や、ボルト等の体の中に入れる機材で固定をする術式である。
3位は四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術。よくみられる非腫瘍性の腫瘤としては、ガングリオンなどありますが、悪性ではない良性の塊を切除する術式ある。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 24 0.96 8.58 8.33 78.08
K178-4 経皮的脳血栓回収術 17 0 21.53 58.82 75.76
K1742 水頭症手術（シャント手術） 9 3.67 25.89 22.22 66.56
K1781 脳血管内手術（１箇所） 9 1 29.78 33.33 50.67
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング（１箇所） 8 1.75 36.13 37.50 61.13
脳神経外科では、慢性硬膜下血腫洗浄・除去術（穿頭）等が最も多い。
慢性硬膜下血腫は外傷などにより、受傷後3週間以降に頭痛や運動麻痺、認知障害等が発生し発見されることが多い。慢性硬膜下血腫洗浄・除去術（穿頭）は頭蓋骨に穴をあけて、血腫の吸引や洗浄を行う手術法である。
2位の経皮的脳血栓回収術は、脳梗塞などの原因の、血栓という塊を回収機器を用いて除去する術式である。
3位の水頭症手術（シャント手術）は水頭症という脳の中に水がたまってくる病気を治療するため、体内の他の場所へ逃がしてやる回路を作る術式である。
4位の脳血管手術は、脳動脈瘤等の血管異常に対して、血管内手術カテーテルを使用し、動脈瘤の凝固目的にコイルを挿入する手術法である。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 142 1.13 3.73 0.00 48.09
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術（両側）（腹腔鏡） 88 1.07 3.34 1.14 41.59
K8982 帝王切開術（選択帝王切開） 70 5.43 5.03 0.00 32.94
K861 子宮内膜掻爬術 66 1.08 0.12 0.00 49.21
K8981 帝王切開術（緊急帝王切開） 51 1.78 5.24 0.00 33.29
産婦人科は、腹腔鏡による子宮全摘手術が最も多い。子宮全摘術は子宮筋腫や子宮腺筋症などの良性腫瘍に対する手術である。子宮筋腫は、婦人科系疾患の中で最も多い疾患であり、生殖年齢の女性の20～30％にみられるとされる。発生部位はほとんどは子宮体部に発生し、多発することが多い。症状としては貧血、過多月経、不正性器出血、月経困難などがある。
2位の子宮附属器腫瘍摘出術は卵巣嚢腫などの良性腫瘍に行われる。また手術は腹腔鏡で行われる件数の方が多い。
3位と5位は、出産の時の帝王切開である。母体の出産が何らかの理由により進まない場合や危険がある場合に、手術によって胎児を出す術式である。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ﾛ 水晶体再建術（眼内レンズを挿入する場合）（その他のもの） 192 0.01 1.41 0.00 73.09
K2686 緑内障手術（水晶体再建術併用眼内ドレーン挿入術） 13 0 2 0.00 75.85
K2683 緑内障手術（濾過手術） 5 0 3.8 0.00 73.2
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術（網膜付着組織を含む） 5 0 4 0.00 64.2
K2171 眼瞼内反症手術（縫合法） 4 0.75 1 0.00 6.75
眼科は、水晶体再建術（眼内レンズを挿入する場合）が最も多い。眼科の入院症例の約8割が当該手術目的の入院である。
水晶体再建術（眼内レンズを挿入する場合）は主に白内障に対して行う手術である。
白内障は、眼の中のレンズの役割をする水晶体が濁ってしまう病気であり、加齢に伴って発生する場合が最も一般的である。
白内障手術は、濁ってしまった水晶体を除去し、網膜に焦点が合うように、人工的なレンズ（眼内レンズ）を挿入する術式である.
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術４型（汎副鼻腔手術） 65 1.2 3.8 0.00 57.08
K3772 口蓋扁桃手術（摘出） 34 1.44 5.94 0.00 27.26
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術３型（選択的（複数洞）副鼻腔手術） 14 1.21 2.86 0.00 54.43
K6261 リンパ節摘出術（長径３ｃｍ未満） 13 0.92 1 0.00 64.46
K4611 甲状腺部分切除術、甲状腺腫摘出術（片葉のみ） 12 1.58 5.08 0.00 61.5
耳鼻咽喉科は慢性副鼻腔炎に対して行う手術である内視鏡下鼻・副鼻腔手術４型（汎副鼻腔手術）が最も多い。副鼻腔の構造は、前頭洞、篩骨洞、上顎洞、蝶形骨洞の4つの空洞が左右それぞれにある。内視鏡下副鼻腔手術は副鼻腔の洞の粘膜を切除などをし、各洞の炎症を治療する術式である。また副鼻腔手術は、4つの洞への組み合わせにより1～5型まである。当院で最も多い4型は、片方の4つの洞すべてに治療する術式である。喉の奥の扁桃部分が、病気により肥大し、呼吸や飲み込みがしにくくなる場合に行われる。3位の手術も同様副鼻腔炎に行われる手術である。
2位の口蓋扁桃手術（摘出）手術は、主に小児のアデノイド切除が多いため、手術の平均年齢も低い。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K8036ｲ 膀胱悪性腫瘍手術（経尿道的手術）（電解質溶液利用） 146 1.55 4.25 1.37 74.89
K7811 経尿道的尿路結石除去術（レーザー） 47 0.94 1.47 0.00 61.87
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 40 1.1 6.88 15.00 71.18
K8411 経尿道的前立腺手術（電解質溶液利用） 30 1.47 4.93 0.00 72.83
K773-2 腹腔鏡下腎（尿管）悪性腫瘍手術 27 2.7 6.15 0.00 67.96
泌尿器科の手術では、膀胱悪性腫瘍手術（経尿道的手術）が最も多い。
膀胱癌は表在性膀胱癌と、浸潤性膀胱癌に分けられる。経尿道的膀胱腫瘍切除術は、手術用内視鏡を尿道から膀胱内に挿入し開腹せずに膀胱腫瘍を切除する術式である。切除した腫瘍が表在性膀胱癌であれば、根治的治療となり、浸潤性膀胱癌の場合は、がんの状態を評価して今後の治療方針を決定するために必要な手術となる。
2位の経尿道的尿路結石除去術（レーザー）は腎から膀胱の間の尿管に詰まった結石を、尿道から手術用内視鏡を挿入しレーザーにより砕き、回収する術式である
3位の経尿道的尿管ステント留置術は、尿管の狭窄に対して、バルーンで拡張したり、尿管内から切開してカテーテルを留置して尿管の再生を待つ術式である。
その他（ＤＩＣ、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率）ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 1 0.12
異なる 11 0.17
180010 敗血症 同一 12 0.21
異なる 41 0.47
180035 その他の真菌感染症 同一 0 0
異なる 4 0.17
180040 手術・処置等の合併症 同一 13 0.18
異なる 8 0.17
その他重篤な疾患は、入院の契機となる病名と同一の場合は、入院時に発症していることとなるが、異なる場合は入院中の経過により発生した可能性がある。
臨床上ゼロにはなりえないものの少しでも改善すべきものとして、重篤な疾患である敗血症、播種性血管内凝固症候群、その他の真菌症について発症率を指標として集計している。
播種性血管内凝固症候群、敗血症は、DPCでも高い点数が設定されており、病名は基準に基づいてつけることを求められている。
手術・処置等の合併症は、手術や処置などに一定割合で発生してしまう病態で、術後出血や創部感染、創部離解などが挙げられる。合併症はどのような術式、患者でも一定の確率で起こり得るもので医療ミスとは異なる。
更新履歴
2022/09/28
機能評価係数２の保険診療指数における令和3年度「病院情報」を公開しました。