平成28年度 富士市立中央病院 病院指標

医療法における病院等の広告規制について（厚生労働省）
  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等（診療科別患者数上位５位まで）
  3. 初発の５大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞のICD10別患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等（診療科別患者数上位５位まで）
  7. その他（ＤＩＣ、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率）
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0～ 10～ 20～ 30～ 40～ 50～ 60～ 70～ 80～ 90～
患者数 1121 283 290 458 755 861 1821 2458 1959 454
【定義】
2016年度退院の患者を、10歳刻みに年齢階級別に集計している。年齢は入院時の満年齢。

【特徴】
年齢階層別患者数では、70代が最も多く、80代、60代と続き、60代以上が全体の60％を占めている。また0～9歳代の新生児、小児患者が多いことも特徴である。
診断群分類別患者数等（診療科別患者数上位５位まで）ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 125 23.5 21.25 28.0 80.46
060340xx03x00x 胆管結石、胆管炎、胆嚢炎 82 15.68 11.06 4.88 78.48
110280xx02x1xx 慢性腎不全 62 33.74 37.06 8.06 67.84
060102xx99xxxx 憩室性疾患 61 10.15 7.89 3.28 68.23
0400801499x002 肺炎　A-DROP スコア2 60 18.60 15.29 13.33 82.97
内科全体では、誤嚥性肺炎による患者が最も多い。平均年齢も、80代となっている。平均在院日数も全国平均より若干長い。
2番目に多いのは消化器疾患の胆管結石、胆管炎、胆嚢炎となっている。治療は内視鏡による治療が行われている。
3番目に多い症例は、慢性腎不全となっている。慢性腎不全には、透析の導入や、状態の悪化した患者の管理が行われている。
4番目には憩室性疾患となっている。憩室性疾患は、主に大腸からの出血などに対して、内視鏡検査が行われている。
慢性腎不全と憩室性疾患は、他の疾患にくらべ60代が平均年齢となっている。
5番目に肺炎（A-DROPスコア2）となっている。A-DROPとは、生命予後と関係のある、年齢、脱水、呼吸、意識、血圧によって重症度を分類したものである。スコア2は中等症の肺炎に分類される。
誤嚥性肺炎と肺炎は平均年齢が高いこともあるが、退院後回復期や療養病棟へ転院する割合が他の疾患に比べ高い。
循環器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx99100x 狭心症（心臓カテーテル検査あり） 284 3.06 3.06 0.00 68.46
050050xx02000x 狭心症（経皮的冠動脈形成術等あり） 249 4.30 4.71 0.40 69.20
050030xx97000x 急性心筋梗塞 110 11.85 13.02 2.73 67.13
050130xx99000x 心不全 96 17.25 17.95 6.25 81.55
050050xx99200x 狭心症（心臓カテーテル検査+血管内超音波あり） 62 4.02 3.22 0.00 69.42
循環器科では、狭心症・虚血性心疾患の心臓カテーテル、経皮的冠動脈形成術の症例が最も多くなっている。平均年齢は60代後半となっており、肺炎等と違い比較的若い年代で入院する。また、退院後ほとんどが在宅に帰る。在院日数も全国平均とほぼ同じ日数のため、治療期間は全国平均と同様となっている。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
040100xxxxx00x 喘息 91 6.54 6.42 1.10 3.88
140010x199x00x 新生児疾患（黄疸、呼吸障害等） 86 7.00 6.18 1.16 0.00
040090xxxxxx0x 急性気管支炎 76 5.93 6.02 6.58 1.28
0400801199x00x 肺炎 54 5.96 5.79 0.00 5.11
010230xx99x00x てんかん 45 3.53 7.12 2.22 5.36
小児科は、1位と3位と4位に喘息、急性気管支炎、肺炎の呼吸器系疾患が多い。在院日数は全国平均とほぼ同様のため、治療期間は全国平均同様となる。
2位は低出生体重や早産に関連する新生児疾患となっている。在院日数も、全国平均日数とほぼ同様であった。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
060210xx99000x 腸閉塞　手術なし 50 9.90 9.08 10.00 70.50
060330xx02xxxx 胆嚢炎、胆嚢結石（手術あり） 43 6.63 6.82 0.00 64.47
060035xx99x60x 大腸がん（化学療法あり） 42 3.40 4.48 0.00 65.05
060035xx01000x 大腸がん（手術あり） 40 16.83 15.92 2.50 73.80
060150xx03xxxx 虫垂炎（手術あり） 39 5.64 5.60 2.56 34.85
外科では腸閉塞による入院が最も多い。腸閉塞は単純性腸閉塞、複雑性腸閉塞等あるが、最も多いのは単純性腸閉塞である。単純性腸閉塞は、絶飲食で、点滴などの治療で軽快することが多い。
2位は、胆嚢炎、胆管結石の手術入院である。手術は、主に腹腔鏡による手術が行われる。
3位、4位は大腸がんの治療目的の入院となる。治療は、抗がん剤による化学療法、手術による外科的治療となっている。がんの治療では大腸がんの入院症例が最も多い。
5位は虫垂炎による入院である。治療は主に手術が行われる。
上位5位の疾患の平均在院日数は全国平均とほぼ同じであり、治療期間は全国と同じである。

整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 大腿骨近位骨折（人工骨頭挿入術） 200 28.38 27.63 68.50 80.64
160760xx97xx0x 前腕骨折（手術あり） 43 4.37 5.49 0.00 49.93
07040xxx01xxxx 股関節症（人工関節再置換術） 40 27.75 24.42 12.50 68.23
160690xx99xx0x 胸椎、腰椎骨折 34 23.29 20.57 50.00 78.38
160740xx97xx0x 肘関節周辺骨折（手術あり） 26 5.31 5.33 0.00 12.73
整形外科は股関節大腿近位骨折の人工骨頭挿入術による入院が最も多い。平均年齢も高く、術後のリハビリ目的のため、転院率も高くなっている。平均在院日数は全国平均とほぼ同様のため、治療期間は全国平均同様となる。
2位の前腕骨折の手術目的入院である。治療期間は全国平均よりやや短くなっている。
3位の股関節症については、1位同様人工関節の手術が多い。在院日数は全国平均よりやや長めとなっている。
4位の胸椎、腰椎の入院は、手術はなく保存的治療である。1位の大腿骨近位骨折同様平均年齢が高く、リハビリ目的の転院率が高くなっている。
5位の肘関節周辺骨折の入院は手術が目的となる。平均年齢が低く子供の骨折が多い。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
070010xx010x0x 軟部の良性腫瘍（手術あり） 13 4.38 5.94 0.00 42.77
080007xx010xxx 皮膚の良性腫瘍（手術あり） 11 4.82 4.28 0.00 28.36
070160xx01xxxx 上肢末梢神経麻痺（手術あり） 10 4.00 5.69 0.00 61.30
020230xx97x0xx 眼瞼下垂（手術あり） 9 5.33 3.44 0.00 74.89
160610xx97xxxx 四肢筋腱損傷（手術あり） 9 12.22 10.04 0.00 51.00
形成外科では、軟部（皮膚の下にある筋肉、脂肪、血管など）の良性腫瘍が最も多い。2位は皮膚の良性腫瘍となっており、手術目的の入院が多くなっている。また平均年齢も低く、年齢もばらつきがある。
3位は上肢末梢神経麻痺の手術目的入院となっている。代表的な疾患としては、手の内側を走る正中神経が圧迫されておこる手根管症候群などがある。
4位は眼瞼下垂と四肢の腱損傷の手術目的である。四肢の腱損傷は平均年齢が低く、仕事中の指の腱の怪我などである。
上位5位まで、平均在院日数は全国平均とほぼ同じであり、治療期間は全国と同じである。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
160100xx99x00x 頭蓋内損傷（手術なし） 52 4.06 7.52 1.92 44.94
160100xx97x00x 頭蓋内損傷（手術あり） 36 7.75 9.87 8.33 72.25
010040x099x00x 非外傷性硬膜下血腫 26 18.62 19.35 38.46 66.96
010030xx9910xx 未破裂脳動脈瘤 13 2.38 3.20 0.00 63.08
010060x2990201 脳梗塞 12 15.17 16.73 16.6 68.75
脳神経外科は頭蓋、頭蓋内損傷の症例が最も多い。1位は手術なしの症例で、2位は手術がある症例となる。両方の症例ともに平均在院日数が短く、治療期間が全国平均より短くなっている。また2位の手術あり症例では、平均年齢が高い。
3位は硬膜下血腫となっている。硬膜下血腫は、なんらかの原因により脳にある硬膜とくも膜の間に血の膜ができ脳を圧迫し、頭痛や歩行障害、麻痺などがでる病気である。
4位は未破裂脳動脈瘤の、検査目的の入院である。検査の結果、クリッピングなどの手術が検討される。
5位は脳梗塞である。脳梗塞の治療は、固まった血液を溶かす血栓療法や抗血小板療法などがある。
硬膜下血腫と脳梗塞はリハビリのため転院率も高くなっている。
脳神経外科の上位5位の疾患の平均在院日数は全国平均より短く、治療期間は短くなっている。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍（手術あり） 67 9.12 10.05 0.00 45.45
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍（腹腔鏡手術あり） 58 6.57 6.29 0.00 46.84
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍（手術あり） 50 6.18 6.42 0.00 41.60
120140xxxxxxxx 流産 29 2.14 2.43 0.00 33.41
120090xx97xxxx 子宮脱（手術あり） 27 9.00 9.44 0.00 70.56
産婦人科は集計条件から、婦人科系疾患のみとなる。（一部の産科疾患あり）
産婦人科は、1位2位ともに子宮の良性腫瘍疾患が最も多くなっている。1位が開腹手術、2位が腹腔鏡手術である。
全体的に平均年齢が若く、子宮筋腫や卵巣嚢腫は40代から60代までが多くみられる。開腹手術の在院日数は全国平均よりやや短く、腹腔鏡手術は全国平均と同様となっている。
3位の卵巣の良性腫瘍の治療期間は全国平均とほぼ同様である。
4位は流産、5位は子宮脱の手術目的の入院となる。
子宮脱以外の疾患は、婦人科の特性上平均年齢が低く、子宮筋腫や卵巣のう腫などの子宮、卵巣の良性腫瘍は40代から60代までが多くみられる。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
020220xx97xxx0 緑内障（手術あり） 12 9.92 9.15 0.00 67.92
020180xx97x0x0 糖尿病性網膜症（手術あり） 11 6.18 8.27 0.00 53.55
020160xx97xxx0 網膜剥離（手術あり） 4 6.75 10.53 0.00 44.75
020370xx99xxxx 視神経疾患 4 3.25 11.09 0.00 68.00
020280xx97xxxx 角膜の障害 2 7.50 11.07 0.00 32.50
眼科は集計条件から、ＤＰＣ対象外となる白内障の水晶体再建術による入院を除いた件数となる。白内障の手術症例は眼科の大部分を占める。平均年齢も70代となっている。
1位の緑内障手術目的の入院では、平均在院日数は全国平均と同様で、治療期間は全国平均とほぼ同じとなっている。
2位の糖尿病網膜症は平均年齢が低く40代から60代が多くみられる。在院日数は全国平均より短いため、治療期間は全国平均より短くなっている。
3位の網膜剥離、4位の視神経疾患、5位の角膜障害では、在院日数は全国平均より短く、治療期間は全国平均より短くなっている。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 64 8.19 7.47 0.00 51.33
030428xxxxxxxx 突発性難聴 63 12.56 9.37 0.00 59.25
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイド疾患 52 8.75 8.12 0.00 16.73
030400xx99xxxx めまい症 50 6.68 5.24 2.00 65.82
030240xx99xxxx 急性扁桃炎、扁桃周囲炎 48 7.17 5.50 0.00 38.35
耳鼻咽喉科は副鼻腔炎の手術目的の患者が最も多い。平均年齢は50代であり、10代から80代まで患者の年齢層は幅広い。
2位の突発性難聴は副鼻腔炎と同様平均年齢が低く20代から80代までと幅広い。突発性難聴の平均在院日数は、全国平均よりやや長く、治療期間も長くなっている。
3位は小児のアデノイド切除目的の入院だが、在院日数は全国平均同様である。
4位のめまい症、5位の急性扁桃炎等は、平均在院日数が全国平均よりやや長く、治療期間が長くなっている。
5位の急性扁桃炎等は、平均年齢が低く、10代～40代が多くなっている。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
080011xx99xxxx 急性膿皮症（手術なし） 5 10.20 11.97 0.00 57.20
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 4 8.00 8.96 25.00 75.25
080006xx99x0xx 皮膚の悪性腫瘍 3 12.67 10.00 66.67 71.67
080011xx970xxx 急性膿皮症（手術あり） 3 30.00 18.22 33.33 67.67
080100xxxx0xxx 薬疹、中毒疹 2 11.50 11.28 0.00 71.00
皮膚科は、1位と4位の急性膿皮症（蜂巣炎等）の管理入院が最も多い。在院日数は全国平均より長い。
2位の帯状疱疹は、平均年齢が高く、在院日数は全国平均と同様であり、治療期間は全国平均と同様である。
3位は皮膚の悪性腫瘍の管理目的の入院であり、がんセンターや療養病院などに転院しているため転院率が高くなっている。

泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx0200xx 膀胱腫瘍（手術あり） 139 9.64 7.44 0.72 73.09
110200xx02xxxx 前立腺肥大症（手術あり） 31 10.81 9.98 3.23 72.03
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 22 11.36 12.43 0.00 63.64
110080xx99030x 前立腺癌（化学療法） 20 25.15 15.07 5.00 73.60
11013xxx06xxxx 膀胱結石、下部尿路疾患 15 5.67 5.75 6.67 63.53
泌尿器科は、膀胱腫瘍の経尿道的膀胱悪性腫瘍手術が最も多い。在院機関は全国平均より2日長いため、治療期間は全国平均より長い。
2位の前立腺肥大症の手術については、治療期間は全国平均よりやや長くなっている。
3位は腎炎や尿路感染症などの入院である。治療期間は全国平均より1日短い。
4位は前立腺がんの化学療法目的の入院である。在院日数は平均より長く、治療期間も全国平均より長くなっている。
5位は膀胱結石などの治療目的の入院である。主な治療は手術で行われている。
集計条件の特性上、前立腺がんの鑑別のための前立腺生検は掲載していないが、膀胱腫瘍に次ぐ件数の多さである。
初発の５大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準（※）		 版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 43 12 9 13 15 75 1 7
大腸癌 15 25 47 21 36 186 1 7
乳癌 18 21 19 3 1 42 1 7
肺癌 0 2 3 15 17 12 1 7
肝癌 14 16 8 7 8 59 1 7
※ 1：UICC TNM分類，2：癌取扱い規約
5大癌の中では、大腸癌による入院が最も多い。
胃癌はステージ1の割合がもっとも高い。健診などで比較的初期の状態で発見されるため、ステージが低いうちに治療が開始される。
大腸癌はステージ3の患者割合がもっとも高い。初発患者構成でみると2割程度の患者がステージ3となっている。
乳癌は、ステージ1,2の患者が6割以上を占める。胃癌同様乳がん検診などで早期に発見されることが考えられる。
肺癌は、ステージ4の患者割合が最も高い。進行後に入院するケースが多いといえる。
肝癌は、ステージ2の患者割合が最も高い。転移性病変が多いことも特徴である。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数		 平均年齢
軽症 37 12.14 55.70
中等症 182 19.60 79.56
重症 55 24.20 83.42
超重症 9 22.78 89.56
不明 0 0 0
【定義】
成人市中肺炎診療ガイドライン （日本呼吸器学会）による重症度分類を用いて集計。年齢、脱水状態、SpO2、意識障害、血圧を元に重症度を判別する。対象の肺炎は市中肺炎のみで、誤嚥性肺炎、ウイルス性肺炎、気管支炎は除く。

【特徴】
中等症の患者が最も多い。軽症の患者の平均年齢が50歳代であるのに比べ、中等症～超重症になるほど高齢の患者が多くなっている。
脳梗塞のICD10別患者数等ファイルをダウンロード
ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
G45$ 一過性脳虚血発作及び関連症候群 3日以内 17 8.76 75.18 0.00
その他 2 4.50 75.50 0.00
G46$ 脳血管疾患における脳の血管(性)症候群 - - - - -
I63$ 脳梗塞 3日以内 172 25.41 74.63 39.36
その他 16 14.75 72.13 3.19
I65$ 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄，脳梗塞に至らなかったもの 3日以内 4 13.75 68.75 0.00
その他 5 8.80 68.00 0.00
I66$ 脳動脈の閉塞及び狭窄，脳梗塞に至らなかったもの - 1 10 80.00 0.00
I675 もやもや病<ウイリス動脈輪閉塞症> - - - - -
I679 脳血管疾患，詳細不明 - - - - -
発症から3日以内の脳梗塞の患者が全体の8割を占めている。平均年齢は70代であり、脳梗塞は術後のリハビリや療養目的のために転院率が高くなっている。
診療科別主要手術別患者数等（診療科別患者数上位５位まで）ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術（長径２ｃｍ未満） 183 1.71 2.11 0.00 67.32
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 79 2.92 19.51 2.53 79.77
K610-3 内シャント又は外シャント設置術 76 6.78 18.16 2.63 68.22
K654 内視鏡的消化管止血術 68 3.15 14.24 8.82 72.38
K6152 血管塞栓術（頭部、胸腔、腹腔内血管等）（選択的動脈化学塞栓術） 49 1.45 11.31 0.00 75.59
内科の手術は、主に消化器内科が内視鏡室で行う、消化管のポリープ切除や止血術、胆道ステントなどである。
最も多いのは内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術（長径２ｃｍ未満）である。
大腸は消化管（食道～肛門）の中でポリープができる好発部位である。大腸ポリープは通常無症状だが、大きいものでは血便や下血をきたすこともある。診断には内視鏡検査が有用で、大きさや粘膜表面の形態などから治療方針を決定する。
3位の内シャント術とは、透析で大量の血液を取り出せるように腕の血管を加工する手術である。
循環器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術（その他） 217 2.28 2.13 0.00 68.83
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術（不安定狭心症） 77 0.03 11.70 2.60 68.29
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術（急性心筋梗塞） 70 0.00 12.17 2.86 68.54
K5972 ペースメーカー移植術（経静脈電極） 36 5.08 8.92 2.78 76.72
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 34 2.41 5.12 5.88 71.41
循環器科で最も多いの手術は、心臓カテーテルで行う、経皮的冠動脈ステント留置術である。
狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患に対して、カテーテルで狭窄部位の血管を機器を使って広げたり、再灌流させる治療法を経皮的冠動脈インターベイション（ＰＣＩ）という。経皮的冠動脈ステント留置術はPCIの一つの方法で、冠動脈血管を拡張後、再度狭窄しないようにステントという器具で補強する方法である。
小児科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K9131 新生児仮死蘇生術（仮死第１度） 42 0.00 11.50 2.38 0.00
K9132 新生児仮死蘇生術（仮死第２度） 21 0.00 8.33 19.05 0.00
小児科で最も多いのは新生児の仮死蘇生術である。仮死2度と重篤な場合は転院率も高くなる。
新生児にみられる呼吸障害、循環障害、筋緊張の減弱、痙攣などの呼吸循環不全を主徴とする症候群を新生児仮死と言う。
新生児仮死に対しては救命のため、ならびに神経障害を最小限にとどめるため、速やかに新生児仮死蘇生術（保温、体位保持、気道開通、皮膚乾燥、人工呼吸などの蘇生措置）を施す必要がある。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 82 2.33 4.13 0.00 63.05
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術（長径２ｃｍ未満） 78 0.94 1.86 0.00 70.33
K6335 鼠径ヘルニア手術 60 1.62 2.18 0.00 68.00
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 36 5.33 13.64 2.78 73.50
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術（虫垂周囲膿瘍を伴わないもの） 24 0.33 4.08 0.00 30.13
外科で最も多いのは、腹腔鏡下胆嚢摘出術である。4位、5位も腹腔鏡手術である。腹腔鏡とはお臍と左右下腹部に3〜4カ所5mm〜1cmの小さな穴を開け、炭酸ガスを入れたりお腹を吊り上げたりしてスペースを作り、そこから筒状のスコープや器具を入れて手術を行う術式である。術後の疼痛が軽く、入院期間や回復期間が短縮されるメリットがある。腹腔鏡下の胆嚢摘出術は腹腔鏡手術の先駆けであり、その後胃、大腸などの手術に広く応用されている。
3位は鼠径ヘルニア手術である。鼠径ヘルニアは、腹部のヘルニアの中で最も頻度が高い疾患である。ヘルニアの手術は人工のメッシュを入れ筋膜を補強するメッシュ法が行われている。
4位は腹腔鏡による大腸癌の手術である。大腸癌は、50代～70代に発生しやすく、がん全体の2番目に多い癌とされている。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術（肩甲骨，上腕，大腿） 137 5.31 20.78 66.42 75.72
K0811 人工骨頭挿入術（肩，股） 73 6.48 22.01 57.53 80.40
K0462 骨折観血的手術（前腕，下腿，手舟状骨） 61 2.4 10.07 8.20 62.05
K0821 人工関節置換術（肩，股，膝） 49 3.06 24.12 10.20 69.35
K0483 骨内異物（挿入物を含む）除去術（前腕，下腿） 22 2.32 3.45 0.00 42.82
整形外科で最も多いのは、大腿骨と上腕の観血的整復術である。整形外科の手術は平均年齢が高く、また術後のリハビリのため術後の転院率が高くなっている。
骨折の観血的手術は、骨折した部位を開き、直接骨折の整復と内固定を行う方法である。内固定の材料としては、金属性のプレートや釘やスクリューなどである。
2位の人工骨頭挿入術は主に大腿骨の骨頭（太ももの付け根部分に当たる骨盤と大腿骨をつなぐ部分の骨）を金属、セラミックなどでできた人工骨頭に入れかえる手術である。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K0301 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術（肩，上腕，前腕，大腿，下腿，躯幹） 12 0.83 2.75 0.00 43.33
K1882 神経剥離術（その他） 9 0.00 3.22 0.00 59.78
K2191 眼瞼下垂症手術（眼瞼挙筋前転法） 9 0.00 4.33 0.00 74.89
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術（単純切除） 8 0.38 6.63 0.00 75.25
K013-21 全層植皮術（２５ｃｍ２未満） 8 0.13 8.88 0.00 63.00
形成外科では四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術が最も多い。
四肢の良性腫瘍で皮膚より深いところの軟部組織（皮膚の下の筋肉、脂肪、血管など）を切除する手術である。
3位の眼瞼下垂症手術は、眼瞼下垂（瞼が落ちてくる病気）のため、瞼を動かす筋肉を、切開し瞼に短く縫い付ける手術である。
5位全層植皮術は自分の体から採取された皮膚を移植する自家植皮である。植皮の原因となる皮膚欠損の原因には、熱傷、外傷、腫瘍除去後の欠損などがある。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 25 0.36 9.52 12.00 75.84
K1781 脳血管内手術（１箇所） 16 1.25 24.69 37.50 62.94
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング（１箇所） 7 1.71 39.71 57.14 65.86
K145 穿頭脳室ドレナージ術 6 0.33 28.67 66.67 68.83
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術（その他） 6 5.00 20.50 33.33 59.33
脳神経外科では、慢性硬膜下血腫洗浄・除去術（穿頭）等が最も多い。
慢性硬膜下血腫は外傷などにより、受傷後3週間以降に頭痛や運動麻痺、認知障害等が発生し発見されることが多い。慢性硬膜下血腫洗浄・除去術（穿頭）は頭蓋骨に穴をあけて、血腫の吸引や洗浄を行う手術法である。
2位の脳血管手術は、脳動脈瘤等の血管異常に対して、血管内手術カテーテルを使用し、動脈瘤の凝固目的にコイルを挿入する手術法である。
3位の脳動脈瘤頸部クリッピングは、2位の手術同様、脳動脈瘤等の血管異常に対して、クリップ（血管を止める器具）を行う手術である。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 79 1.38 4.47 0.00 48.08
K877 子宮全摘術 69 2.01 6.90 0.00 48.59
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術（両側）（腹腔鏡） 62 1.16 4.19 0.00 40.71
K867 子宮頸部（腟部）切除術 37 1.00 1.00 0.00 39.97
K861 子宮内膜掻爬術 33 0.97 1.24 0.00 49.09
産婦人科では、DPC対象となる婦人科系疾患のみとなる。
産婦人科は、腹腔鏡による子宮全摘手術が最も多い。2位は開腹による子宮全摘術である。子宮全摘術は子宮筋腫や子宮腺筋症などの良性腫瘍に対する手術である。子宮筋腫は、婦人科系疾患の中で最も多い疾患であり、生殖年齢の女性の20～30％にみられるとされる。発生部位はほとんどは子宮体部に発生し、多発することが多い。症状としては貧血、過多月経、不正性器出血、月経困難などがある。
3位の子宮附属器腫瘍摘出術は卵巣嚢腫などの良性腫瘍に行われる。また手術は腹腔鏡で行われる件数の方が多い。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ﾛ 水晶体再建術（眼内レンズを挿入する場合）（その他のもの） 221 0.01 1.85 0.00 71.82
K2683 緑内障手術（濾過手術） 9 0.00 10.67 0.00 65.44
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術（網膜付着組織を含む） 9 0.00 5.44 0.00 60.00
K281 増殖性硝子体網膜症手術 4 0.00 5.75 0.00 43.75
K2682 緑内障手術（流出路再建術） 3 0.00 3.67 0.00 75.33
眼科は、水晶体再建術（眼内レンズを挿入する場合）が最も多い。眼科の入院症例の約8割が当該手術目的の入院である。
水晶体再建術（眼内レンズを挿入する場合）は主に白内障に対して行う手術である。
白内障は、眼の中のレンズの役割をする水晶体が濁ってしまう病気であり、加齢に伴って発生する場合が最も一般的である。
白内障手術は、濁ってしまった水晶体を除去し、網膜に焦点が合うように、人工的なレンズ（眼内レンズ）を挿入する術式である
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術（摘出） 64 1.08 6.52 0.00 16.69
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術４型（汎副鼻腔手術） 57 1.23 5.96 0.00 53.44
K368 扁桃周囲膿瘍切開術 15 0.27 6.00 0.00 36.40
K6261 リンパ節摘出術（長径３ｃｍ未満） 15 1.20 1.33 0.00 60.80
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術３型（選択的（複数洞）副鼻腔手術） 10 1.00 6.00 0.00 48.20
耳鼻咽喉科では口蓋扁桃手術が最も多い。喉の奥の扁桃部分が、病気により肥大し、呼吸や飲み込みがしにくくなる場合に行われる。
2位は内視鏡下鼻・副鼻腔手術４型（汎副鼻腔手術）である。5位にも同様に内視鏡下の副鼻腔手術がある。
内視鏡下鼻・副鼻腔手術４型（汎副鼻腔手術）は、慢性副鼻腔炎に対して行う手術である。
副鼻腔の構造は、前頭洞、篩骨洞、上顎洞、蝶形骨洞の4つの空洞が左右それぞれにある。内視鏡下副鼻腔手術は副鼻腔の洞の粘膜を切除などをし、各洞の炎症を治療する術式である。また副鼻腔手術は、4つの洞への組み合わせにより1～5型まである。当院で最も多い4型は、片方の4つの洞すべてに治療する術式である。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K8036ﾛ 膀胱悪性腫瘍手術（経尿道的手術）（その他のもの） 137 2.13 6.53 0.73 73.20
K8412 経尿道的前立腺手術（その他） 30 2.30 7.53 3.33 71.93
K773-2 腹腔鏡下腎（尿管）悪性腫瘍手術 25 3.28 8.24 0.00 72.72
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 21 0.90 10.90 0.00 68.95
K7981 膀胱結石，異物摘出術（経尿道的手術） 15 1.73 3.13 6.67 63.27
泌尿器科の手術では、膀胱悪性腫瘍手術（経尿道的手術）が最も多い。
膀胱癌は表在性膀胱癌と、浸潤性膀胱癌に分けられる。経尿道的膀胱腫瘍切除術は、手術用内視鏡を尿道から膀胱内に挿入し開腹せずに膀胱腫瘍を切除する術式である。切除した腫瘍が表在性膀胱癌であれば、根治的治療となり、浸潤性膀胱癌の場合は、がんの状態を評価して今後の治療方針を決定するために必要な手術となる。
2位の経尿道的前立腺手術は前立腺肥大症に対して行われる術式である。尿道から手術用内視鏡を挿入し、肥大した前立腺を切り取る術式である。
3位は腹腔鏡下腎（尿管）悪性腫瘍手術である。腎細胞癌は発症初期は無症状であるため、健康診断や他の目的で画像検査された場合に発見されることが多い。進行すると血尿や側背部痛、腹部腫瘤がみられる。
その他（ＤＩＣ、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率）ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 2 0.02
異なる 24 0.23
180010 敗血症 同一 11 0.11
異なる 37 0.35
180035 その他の真菌感染症 同一 3 0.03
異なる 17 0.16
180040 手術・処置等の合併症 同一 35 0.33
異なる 14 0.13
その他重篤な疾患は、入院の契機となる病名と同一の場合は、入院時に発症していることとなるが、異なる場合は入院中の経過により発生した可能性がある。
臨床上ゼロにはなりえないものの少しでも改善すべきものとして、重篤な疾患である敗血症、播種性血管内凝固症候群、その他の真菌症について発症率を指標として集計している。
播種性血管内凝固症候群、敗血症は、DPCでも高い点数が設定されており、病名は基準に基づいてつけることを求められている。
手術・処置等の合併症は、手術や処置などに一定割合で発生してしまう病態で、術後出血や創部感染、創部離解などが挙げられる。合併症はどのような術式、患者でも一定の確率で起こり得るもので医療ミスとは異なる。
更新履歴
2017/09/28
機能評価係数２の保険診療指数における平成28年度「病院情報」を公開しました。