令和5年度 富士市立中央病院 病院情報の公表

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 607 206 376 637 670 1018 1289 2564 2232 501
【定義】
2023年度退院の患者を、10歳刻みに年齢階級別に集計している。年齢は入院時の満年齢。

【特徴】
年齢階層別患者数では、70代が最も多く、80代、60代と続き、60代以上が全体の65%を占めている。また0~9歳代の新生児、小児患者が多いことも特徴である。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xx0x 大腸ポリープ(内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術) 192 3.28 2.61 0.00 70.18
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 136 10.02 8.75 2.21 75.76
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 108 25.65 20.6 25.00 81.18
110310xx99xxxx 腎臓または尿路感染症 74 17.41 13.52 9.46 76.61
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病 65 13.97 13.99 4.62 66.08
内科全体では、大腸ポリープ切除による患者が最も多い。平均年齢は68.93歳となっている。平均在院日数は全国平均が2.6日に対して3.4日と長い。
2番目に多い症例は,消化器疾患の胆管結石、胆管炎、胆嚢炎となっている。治療は内視鏡による治療が行われている。
3番目に多いのは誤嚥性肺炎となっている。誤嚥性肺炎は平均年齢が高く、退院後回復期や療養病棟へ転院する割合が他の疾患に比べ高い。
4番目に腎臓または尿路肝炎の治療目的入院となっている。平均年齢も高く、また在院日数も全国比較して長い。

循環器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx99100x 狭心症(心臓カテーテル検査あり) 195 3.07 3.05 0.00 68.89
050050xx02000x 狭心症(経皮的冠動脈形成術等あり) 156 4.03 4.26 0.00 68.69
050030xx97000x 急性心筋梗塞 104 10.78 11.54 0.00 64.99
050130xx9900x0 心不全 69 16.25 17.38 5.80 81.93
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈 54 4.26 4.57 0.00 64.07
循環器科では、狭心症・虚血性心疾患の心臓カテーテル、経皮的冠動脈形成術の症例が最も多くなっている。平均年齢は60代後半となっており、肺炎等と違い比較的若い年代で入院する。また、退院後ほとんどが在宅に帰る。在院日数も全国平均とほぼ同じ日数のため、治療期間は全国平均と同様となっている。急性心筋梗塞は今年度3番目に多いが、平均年齢は60代後半で、治療期間は全国平均よりやや短くなっている
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080270xxxx1xxx 食物アレルギー 66 1 2.12 0.00 3.42
140010x199x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(2500g以上) 54 6.54 6.07 1.85 0
040090xxxxxxxx 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 33 5.42 5.96 0.00 0.97
040070xxxxx0xx ウイルス性肺炎 25 5.96 5.86 0.00 2.92
140010x299x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(2500g以上) 25 13.12 11.01 4.00 0.0
小児科はで、最も多い入院は、食物アレルギー負荷試験のための入院である。一日の入院だが全国平均より短めで退院している。
2位と5位、出産に関連する低出生体重や早産等新生児疾患となっている。在院日数は、全国平均日数よりやや短く退院しているが、2500g未満の低出生体重児はやや在院日数が長い。。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 83 5.07 4.55 1.20 70.93
060100xx01xxxx 大腸ポリープ(内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術) 43 3.49 2.61 0.00 76.42
060210xx99000x 腸閉塞 41 11.07 8.95 2.44 67.85
090010xx010xxx 乳がん 手術あり 41 12.54 9.88 0.00 69.05
060150xx99xxxx 虫垂炎 39 7.13 8.02 2.56 41.9
外科では鼠径ヘルニアによる入院が最も多い。鼠径ヘルニアは、腹部で起きるヘルニアのうち8割~9割を占める。一般的に成人の手術では、腹壁の弱くなった部分を人工的なシートで補強する手術が行われる。
2位は大腸ポリープ切除術の入院、3位は腸閉塞の加療であるが、どちらも全国平均と比較してやや長い。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 大腿骨近位骨折(人工骨頭挿入術) 214 33.17 25.5 65.42 83.33
07040xxx01xxxx 股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 50 20.98 19.55 4.00 68.64
160760xx97xx0x 前腕骨折 手術あり 28 5.93 4.76 0.00 62.79
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 24 24.75 21.96 0.00 73.96
160800xx99xxxx 足関節・足部の骨折 手術あり 18 39.11 18.32 55.56 59.06
整形外科は股関節大腿近位骨折の人工骨頭挿入術による入院が最も多い。平均年齢も高く、術後のリハビリ目的のため、転院率も高くなっている。平均在院日数は全国平均より長いため、治療期間はやや長めとなっている。
2位の股関節症については、1位同様人工関節の手術が多い。在院日数は全国平均よりやや長めとなっている。
3位の前腕骨折の手術目的入院である。治療期間は全国平均よりやや長くなっている。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160780xx97xx0x 手関節周辺骨折脱臼(手術あり) 35 2.69 4.04 0.0 38
070010xx010xxx 骨軟部の良性腫瘍 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術等 30 3.5 5.14 0.00 56.7
070010xx970xxx 骨軟部の良性腫瘍 その他の手術 18 2.61 4.28 0.00 54.11
070160xx01xxxx 上肢末梢神経麻痺 手根管開放手術等 15 2.2 4.49 0.00 65.4
070380xx01xxxx ガングリオン 関節滑膜切除術等 15 2.4 4.27 0.00 54.73
形成外科では、手関節周辺の骨折手術目的による入院が最も多い。外傷は仕事による怪我などもあるため平均年齢は低くなっている。
2位3位は軟部(皮膚の下にある筋肉、脂肪、血管など)の良性腫瘍、4位は手根管の手術となっている。
上位5位まで、平均在院日数は全国平均よりやや短く、治療期間は全国より短めとなっている。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010040x099000x 頭蓋内損傷(手術あり) 38 7.32 9.88 0.00 79.05
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫 JCS10未満 34 28.47 19.09 67.65 66.82
010030xx9910xx 未破裂脳動脈瘤(手術なし) 27 2.07 2.95 0.00 65.89
010070xx9910xx 脳血管障害 手術なし 23 2.7 3.12 0.00 63.78
010040x199x0xx 非外傷性頭蓋内血腫 JCS10以上 22 23.95 22.61 50.00 70.77
脳神経外科は非外傷性頭蓋内血腫の入院の症例が最も多い。1位は頭蓋内損傷の症例である。平均在院日数は全国平均より短くなっている。
2位と5位は、非外傷性頭蓋内血腫は、外傷によらない脳内出血(視床出血や小脳出血等)である。非外傷性頭蓋内血腫は平均年齢も低く、リハビリのため転院率も高くなっている。5位は同様に非外傷性血腫だが意識レベルが悪い症例となる。
3位は未破裂脳動脈瘤の、検査目的の入院である。
脳神経外科の上位5位までの疾患は、2位の疾患を除き、治療期間は全国よりやや短めとなっている。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 153 5.28 5.93 0.00 49.54
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等 88 6.93 9.34 0.00 33.59
120180xx99xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 手術なし 83 5.77 6.65 0.00 31.14
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術 71 4.73 6 0.00 47.49
120260x099xxxx 分娩の異常(分娩時出血量2000ml未満) 手術なし 54 5.39 4.82 5.56 31.24
産婦人科は、1位3位ともに子宮・卵巣の手術症例となっている。両方とも腹腔鏡による手術症例となっている。
2位4位5位までは出産にかかわる合併症が症例となっている。前期破水や微弱陣痛、帝王切開の症例などである。
婦人科の特性上平均年齢が低く、子宮筋腫や卵巣のう腫などの子宮、卵巣の良性腫瘍は40代から60代までが多くみられる。
上位5位までの平均在院日数は、全国平均よりやや短い。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障(手術あり、片眼) 226 1.53 2.54 0.00 74
020180xx97x0x0 糖尿病性増殖性網膜症 (手術あり) 13 4.69 6.1 0.00 56
020220xx97xxx0 緑内障 (手術あり) 13 3 4.82 0.00 76.92
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眼科は白内障の片目の水晶体再建術による入院が最も多く、大部分を占める。平均年齢も70代となっている。
2位は糖尿病に伴う網膜症での手術症例となる。平均年齢が低い疾患となっている。
3位の緑内障手術目的の入院では、平均在院日数は全国平均よりやや短く、治療期間は全国平均より短くなっている。

※年間10症例未満のDPC症例は非表示となります。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 83 4.2 6.02 0.00 53.19
030250xx970xxx 睡眠時無呼吸 手術あり 25 8 8.02 0.00 11.2
030240xx01xx0x 扁桃周囲膿瘍 扁桃周囲膿瘍切開術等 23 6.04 7.52 0.00 41.35
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 22 8.05 7.53 0.00 28.73
030340xxxxxxxx 血管運動性鼻炎、アレルギー性鼻炎<鼻アレルギー> 19 3.79 5.27 0.00 35.74
耳鼻咽喉科は副鼻腔炎の手術目的の患者が最も多い。平均年齢は50代であり、10代から80代まで患者の年齢層は幅広い。
2位3位と4位の扁桃や急性扁桃炎等は、平均年齢が低く、平均在院日数は全国と同様の治療期間となっている。。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080010xxxx0xxx 急性膿皮症(手術なし) 12 9.83 12.88 0.00 72.58
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皮膚科では、急性膿皮症(蜂窩織炎、丹毒等)の疾患が最も多い。平均在院日数は、全国平均と概ね同様である。。


※年間10症例未満のDPC症例は非表示となります。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍(手術あり) 92 6.85 6.78 0.00 71.64
11012xxx020x0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 78 4.78 5.22 1.28 6345
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術・処置等1あり 76 2.47 2.44 0.00 74.33
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍(前立腺生検) 46 11.54 11.19 0.00 71.2
110200xx02xxxx 前立腺肥大症(手術あり) 29 8.03 7.75 6.90 73.03
泌尿器科は、1位は膀胱腫瘍の経尿道的膀胱悪性腫瘍手術が最も多い。治療期間は全国平均と同様となっている。
2位は尿路結石などの治療目的の入院である。主な治療は手術で行われている。
3位は前立腺がんの、手術目的で、4位は検査目的の入院である。前立腺への針を使った検査を行っている。
5位は前立腺肥大症の手術症例である。
上位5位までの平均在院日数は、いずれも全国平均とほぼ同じであり、治療期間は全国と同じである。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 32 13 11 18 8 9 1 8
大腸癌 34 41 79 41 14 58 1 8
乳癌 15 44 9 15 0 18 1 8
肺癌 7 6 7 29 15 3 1 8
肝癌 2 3 7 12 4 20 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
5大癌の中では、大腸癌による入院が最も多い。
胃癌は、ステージ1.4に患者の構成が多い。進行した患者の再入院などが要因。
大腸癌は、ステージ3の割合が高い。化学療法や進行した患者の再入院などにより構成が増えている。
乳癌は、ステージ1,2の患者が6割以上を占める。胃癌同様乳がん検診などで早期に発見されることが考えられる。
肺癌は、ステージ4の患者割合が最も高い。進行後に入院するケースが多いといえる。
肝癌は、転移性病変が多いことも特徴である。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 7 14.86 54.86
中等症 83 18.77 79.8
重症 42 23.6 82.79
超重症 22 25.73 85.32
不明
【定義】
成人市中肺炎診療ガイドライン (日本呼吸器学会)による重症度分類を用いて集計。年齢、脱水状態、SpO2、意識障害、血圧を元に重症度を判別する。対象の肺炎は市中肺炎のみで、誤嚥性肺炎、ウイルス性肺炎、気管支炎は除く。

【特徴】
中等症の患者が最も多い。軽症の患者の平均年齢が50歳代であるのに比べ、中等症~超重症になるほど高齢の患者が多くなっている。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 210 25.2 73.56 38.57
その他 22 14.36 75.41 40.91
発症から3日以内の脳梗塞の患者が全体の9割を占めている。平均年齢は70代であり、脳梗塞は術後のリハビリや療養目的のために転院率が高くなっている。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 193 1.73 1.73 0.00 71.19
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 166 2.37 16.22 4.2 75.82
K654 内視鏡的消化管止血術 65 2.6 15.4 12.31 74.82
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純) 64 8.89 15.61 6.25 68.31
K708-3 内視鏡的膵管ステント留置術 44 1.5 18.05 4.55 71.18
内科の手術は、主に消化器内科が内視鏡室で行う、消化管のポリープ切除や止血術、胆道ステントなどである。
最も多いのは内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満)である。
大腸は消化管(食道~肛門)の中でポリープができる好発部位である。大腸ポリープは通常無症状だが、大きいものでは血便や下血をきたすこともある。診断には内視鏡検査が有用で、大きさや粘膜表面の形態などから治療方針を決定する。
2位の内視鏡的胆道ステント留置術は、胆管・膵管の閉塞部位にステントというストロー状の短い管を入れて、胆汁や膵液の流れを良くする治療である。
3位の内視鏡的消化管止血術は消化管出血に対して内視鏡で止血を行う手術である
循環器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 127 2.17 2.46 0.00 67.47
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞) 65 0 11.69 1.54 65.65
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術 不安定狭心症に対するもの 52 0.04 9.12 0.00 67.46
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術 心房中隔穿刺又は心外膜アプローチを伴うもの 47 1.15 2.15 0.00 64.47
K5973 ペースメーカー移植術(リードレスペースメーカー) 23 4.96 3.78 0.00 83.57
循環器科で最も多いの手術は、心臓カテーテルで行う、経皮的冠動脈ステント留置術である。
狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患に対して、カテーテルで狭窄部位の血管を機器を使って広げたり、再灌流させる治療法を経皮的冠動脈インターベイション(PCI)という。経皮的冠動脈ステント留置術はPCIの一つの方法で、冠動脈血管を拡張後、再度狭窄しないようにステントという器具で補強する方法である。
小児科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9131 新生児仮死蘇生術(仮死第1度) 12 0 9.17 8.33 0.0
K9132 新生児仮死蘇生術(仮死第2度) 10 0 8.6 30.0 0
K7151 腸重積症整復術(非観血的なもの) 4 0 1.75 0.00 1.25
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小児科で最も多いのは新生児の仮死蘇生術である。仮死2度と重篤な場合は転院率も高くなる。
新生児にみられる呼吸障害、循環障害、筋緊張の減弱、痙攣などの呼吸循環不全を主徴とする症候群を新生児仮死と言う。
新生児仮死に対しては救命のため、ならびに神経障害を最小限にとどめるため、速やかに新生児仮死蘇生術(保温、体位保持、気道開通、皮膚乾燥、人工呼吸などの蘇生措置)を施す必要がある。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6335 鼠径ヘルニア手術 81 1.43 2.62 1.23 70.89
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2cm未満 56 1.2 1.48 0.00 77.5
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 37 2.84 5.16 0.00 62.3
K7193 結腸切除術(全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術) 37 5.92 16.68 2.70 77.03
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む。) 35 1.49 2.63 71.43 78.46
外科で最も多いのは、鼠径ヘルニア手術である。鼠径ヘルニアは、腹部のヘルニアの中で最も頻度が高い疾患である。ヘルニアの手術は人工のメッシュを入れ筋膜を補強するメッシュ法が行われている。
2位は内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満)は、内視鏡による大腸ポリープの切除術である。
3位は腹腔鏡下胆嚢摘出術である。腹腔鏡とはお臍と左右下腹部に3〜4カ所5mm〜1cmの小さな穴を開け、炭酸ガスを入れたりお腹を吊り上げたりしてスペースを作り、そこから筒状のスコープや器具を入れて手術を行う術式である。術後の疼痛が軽く、入院期間や回復期間が短縮されるメリットがある。腹腔鏡下の胆嚢摘出術は腹腔鏡手術の先駆けであり、その後胃、大腸などの手術に広く応用されている。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(肩甲骨,上腕,大腿) 141 3.37 27.72 61.70 82.06
K0811 人工骨頭挿入術(肩,股) 85 4.94 28.48 65.88 82.64
K0821 人工関節置換術(肩,股,膝) 83 1.81 20.6 3.61 70.67
K0462 骨折観血的手術 37 3.7 14.19 21.62 63.59
K0483 骨内異物(挿入物を含む。)除去術 18 1.72 6.5 5.56 52.28
整形外科で最も多いのは、大腿骨と上腕の観血的整復術である。整形外科の手術は平均年齢が高く、また術後のリハビリのため術後の転院率が高くなっている。
骨折の観血的手術は、骨折した部位を開き、直接骨折の整復と内固定を行う方法である。内固定の材料としては、金属性のプレートや釘やスクリューなどである。
2位の人工骨頭挿入術は主に大腿骨の骨頭(太ももの付け根部分に当たる骨盤と大腿骨をつなぐ部分の骨)を金属、セラミックなどでできた人工骨頭に入れかえる手術である。3位の人工関節置換も大腿骨の手術である。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0301 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術 22 0.77 2.18 0.00 54.14
K0463 骨折観血的手術 22 0 2.09 0.00 49.5
K093 手根管開放手術 15 0 1.2 0.00 65.4
K0701 ガングリオン摘出術 14 0.07 1.07 0.00 53.86
K028 腱鞘切開術(関節鏡下によるものを含む。) 11 0.09 1.64 0.00 55.91
形成外科では関節内骨折観血的手術が最も多い。1位は四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術。よくみられる非腫瘍性の腫瘤としては、ガングリオンなど、悪性ではない良性の塊を切除する術式ある。2位骨折観血的手術とともに、外傷により、手の骨折が発生した場合、骨折の修復や、ボルト等の体の中に入れる機材で固定をする術式である。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 37 0.46 7.49 2.70 80.73
K178-4 経皮的脳血栓回収術 27 0.22 23.67 62.96 75.7
K1781 脳血管内手術 1箇所 17 1.94 27.76 47.06 62.29
K1783 脳血管内手術 脳血管内ステントを用いるもの 13 2 5.54 0.00 62.23
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 11 4 7.36 9.09 74.27
脳神経外科では、慢性硬膜下血腫洗浄・除去術(穿頭)等が最も多い。
慢性硬膜下血腫は外傷などにより、受傷後3週間以降に頭痛や運動麻痺、認知障害等が発生し発見されることが多い。慢性硬膜下血腫洗浄・除去術(穿頭)は頭蓋骨に穴をあけて、血腫の吸引や洗浄を行う手術法である。
2位の経皮的脳血栓回収術は、脳梗塞などの原因の、血栓という塊を回収機器を用いて除去する術式である。
3位の脳血管手術は、脳動脈瘤等の血管異常に対して、血管内手術カテーテルを使用し、動脈瘤の凝固目的にコイルを挿入する手術法である。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 206 1.03 3.39 0.00 52.77
K8981 帝王切開術 緊急帝王切開 75 2.15 5.49 0.00 33.88
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡によるもの) 74 1.19 3.12 0.00 45.61
K8982 帝王切開術 選択帝王切開 67 2.24 5.06 0.00 33.87
K861 子宮内膜掻爬術 50 1.16 0.26 0.00 52.02
産婦人科は、腹腔鏡による子宮全摘手術が最も多い。子宮全摘術は子宮筋腫や子宮腺筋症などの良性腫瘍に対する手術である。子宮筋腫は、婦人科系疾患の中で最も多い疾患であり、生殖年齢の女性の20~30%にみられるとされる。発生部位はほとんどは子宮体部に発生し、多発することが多い。症状としては貧血、過多月経、不正性器出血、月経困難などがある。
2位4位は帝王切開である。母体の出産が何らかの理由により進まない場合や危険がある場合に、手術によって胎児を出す術式である。
3位の子宮附属器腫瘍摘出術は卵巣嚢腫などの良性腫瘍に行われる。また手術は腹腔鏡で行われる件数の方が多い。
5位の子宮内膜掻爬術は子宮体癌や子宮外妊娠、子宮出血の際に、子宮の内容を除去する術式です。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの) 221 0.01 0.5 0.00 74.06
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術 網膜付着組織を含むもの 19 0 4 0.00 59.68
K2686 緑内障手術(水晶体再建術併用眼内ドレーン挿入術) 11 0 2 0.00 78.82
K2683 緑内障手術 濾過手術 7 0 3.29 0.00 74
K2171 眼瞼内反症手術 縫合法 6 1 1 0.00 17.5
眼科は、水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)が最も多い。眼科の入院症例の約8割が当該手術目的の入院である。
水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)は主に白内障に対して行う手術である。
白内障は、眼の中のレンズの役割をする水晶体が濁ってしまう病気であり、加齢に伴って発生する場合が最も一般的である。
白内障手術は、濁ってしまった水晶体を除去し、網膜に焦点が合うように、人工的なレンズ(眼内レンズ)を挿入する術式である.
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術4型(汎副鼻腔手術) 70 1.07 2.11 0.00 52.21
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 57 1 5.98 0.00 21.09
K368 扁桃周囲膿瘍切開術 23 0.09 4.2 0.00 40.3
K347-5 内視鏡下鼻腔手術Ⅰ型(下鼻甲介手術) 13 0.85 1.85 0.00 36.54
K4611 甲状腺部分切除術、甲状腺腫摘出術 片葉のみの場合 12 1.33 4 0.00 55.33
耳鼻咽喉科は慢性副鼻腔炎に対して行う手術である内視鏡下鼻・副鼻腔手術4型(汎副鼻腔手術)が最も多い。副鼻腔の構造は、前頭洞、篩骨洞、上顎洞、蝶形骨洞の4つの空洞が左右それぞれにある。内視鏡下副鼻腔手術は副鼻腔の洞の粘膜を切除などをし、各洞の炎症を治療する術式である。また副鼻腔手術は、4つの洞への組み合わせにより1~5型まである。当院で最も多い4型は、片方の4つの洞すべてに治療する術式である。喉の奥の扁桃部分が、病気により肥大し、呼吸や飲み込みがしにくくなる場合に行われる。3位の手術も同様副鼻腔炎に行われる手術である。
2位の口蓋扁桃手術(摘出)手術は、主に小児のアデノイド切除が多いため、手術の平均年齢も低い。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 131 1.42 4.19 0.00 73.25
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 69 1.32 3.14 0.00 64.33
K843-4 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの) 58 1.03 6.55 0.00 70.71
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 36 1.44 4.44 0.00 72.64
K8411 経尿道的前立腺手術 電解質溶液利用のもの 34 2.79 7 0.00 67.32
泌尿器科の手術では、膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)が最も多い。
膀胱癌は表在性膀胱癌と、浸潤性膀胱癌に分けられる。経尿道的膀胱腫瘍切除術は、手術用内視鏡を尿道から膀胱内に挿入し開腹せずに膀胱腫瘍を切除する術式である。切除した腫瘍が表在性膀胱癌であれば、根治的治療となり、浸潤性膀胱癌の場合は、がんの状態を評価して今後の治療方針を決定するために必要な手術となる。
2位の経尿道的尿路結石除去術(レーザー)は腎から膀胱の間の尿管に詰まった結石を、尿道から手術用内視鏡を挿入しレーザーにより砕き、回収する術式である
3位の腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの)は、手術支援ロボット(ダ・ヴィンチ)を使用した術式である。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 0 0
異なる 7 0.14
180010 敗血症 同一 16 0.23
異なる 40 0.43
180035 その他の真菌感染症 同一 1 0.12
異なる 8 0.14
180040 手術・処置等の合併症 同一 18 0.21
異なる 15 0.23
その他重篤な疾患は、入院の契機となる病名と同一の場合は、入院時に発症していることとなるが、異なる場合は入院中の経過により発生した可能性がある。
臨床上ゼロにはなりえないものの少しでも改善すべきものとして、重篤な疾患である敗血症、播種性血管内凝固症候群、その他の真菌症について発症率を指標として集計している。
播種性血管内凝固症候群、敗血症は、DPCでも高い点数が設定されており、病名は基準に基づいてつけることを求められている。
手術・処置等の合併症は、手術や処置などに一定割合で発生してしまう病態で、術後出血や創部感染、創部離解などが挙げられる。合併症はどのような術式、患者でも一定の確率で起こり得るもので医療ミスとは異なる。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
1440 1405 97.57
肺血栓塞栓症は、手術や長期臥床によって血液のめぐりが悪くなり、下肢静脈に血栓(血のかたまり)が発生して肺の血管まで運ばれ、つまってしまう病気である。肺血栓塞栓症を発症した場合の院内死亡率は14%と報告されており、そのうち40%以上が発症1時間以内の突然死であるとされている。
肺血栓塞栓症のリスクとなる手術での予防行為の実施は、発生率を下げることにつなる。
血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード
血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
4206 3893 92.55
抗菌薬治療時の血液培養検査は、感染症の原因特定のための必要な検査である。また、得られた結果に基づいて抗菌薬を選択することで、適切な治療につながる。血液培養は診断精度を高めるため、2 セット以上行うことが推奨されている。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード
広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
1474 1246 84.53
近年、多剤耐性アシネトバクター属菌や、幅広い菌種に効果を有するカルバペネム系抗菌薬に耐性のある腸内細菌科細菌など、新たな抗菌薬耐性菌(以下、耐性菌)が出現し、難治症例が増加していることが世界的な問題となっている。不適切な抗菌薬の使用は、耐性菌の発生や蔓延の原因になることから、各医療機関において抗菌薬適正使用支援チーム(Antimicrobial Stewardship Team:AST)を組織するなど、抗菌薬適正使用を推進する取り組みが求められている。抗菌薬適正使用の鍵を握るのは正確な微生物学的診断であり、抗菌薬投与前の適切な検体採取と培養検査が必要である。
更新履歴
2024/09/30
機能評価係数2の保険診療指数における令和5年度「病院情報」を公開しました。