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ホーム > 部門紹介 > 診療部 > 歯科口腔外科 > 顎変形症手術について

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更新日:2020年1月24日

顎変形症手術について

顎変形症とは

顎骨(顎の骨)と顔面の形態異常を総称して顎変形症(がくへんけいしょう)と呼びます。顎変形症は、先天性顎変形症、成長発育に伴い変形が著明になる顎発育異常、腫瘍や外傷後により生ずる顎顔面変形の3つがあります。このうち最も頻度の高いものは成長発育に伴う顎発育異常であり当科で治療する症例のほとんどがこれにあたります。
それではこの病気は、どのような障害が起きるのでしょうか?
顎骨の変形による咬合(咬み合わせ)の異常による咀嚼・嚥下・構音障害(食べ物が咬みづらい・飲みづらい・発音しづらい)、顎顔面の変形による審美障害、変形によるコンプレックスから精神心理的障害があります。
顎変形症は、下顎前突症、上顎前突症、開口症、下顎後退症、上顎後退症、上下顎前突症、上下顎後退症、顔面(下顎)左右非対称等に分類されます。

顎変形症治療の目的と手術時期

この治療の主な目的は咬合・咀嚼機能(咬み合わせや咬む機能)の改善です。手術に伴い審美性(美容面)も改善され、コンプレックスから解放される事により精神心理面の改善も期待できます。
手術時期は一般的に成長発育が終了する17~18歳以降に行われ25歳ぐらいまでが最適とされています。適応症を選べば40歳ぐらいまで可能です。

顎変形症の治療の流れ

術前矯正治療(約1年~1年6か月)を行った後、顎矯正手術、最後に術後矯正治療(約1年~1年6か月)が一般的です。ごくまれに手術前・後の矯正の必要がない症例もあります。
当科では矯正治療は行っておりませんので、近医にて術前・後矯正治療を行い、顎矯正手術は当院で行います。術後の経過観察は約5年間行います。

顎矯正手術とは

手術的に顎骨に骨折を起こして顎骨を延ばしたり、回転させたり後退させて理想的な咬合と審美的に良い位置で骨の固定を行います(主に金属のネジとプレートを使います)。
下顎骨のみ、上顎骨のみ、上下顎同時移動術、歯槽骨切り術、オトガイ形成術、特殊なネジを用いた骨延長術があります。
手術は全身麻酔下で行い、入院期間は約1週間です。

ここで代表的な手術方法を紹介します。

下顎枝矢状分割法(かがくししじょうぶんかつほう)

下顎に手術的に骨折を起こし、理想的な位置に移動します。

下顎枝矢状分割法の図

症例紹介

次に、実際の症例を紹介します。咬合(咬み合せ)と顔貌(顔かたち)の改善がみられます。

下顎前突症

下顎前突症の術前術後の写真

受診方法

歯科主治医に相談し紹介状をもって通常の初診として来院ください。
矯正歯科にかかり手術が必要と診断されてからの受診が理想的です。