ホーム > 当院のご案内 > 当院の取り組み > 災害対策への取り組み > 各地で発生した災害における活動報告 > 東日本大震災における医療救護班等の活動報告 > 中央病院医療救護班活動報告(岩手県宮古市・第17陣)
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更新日:2020年1月24日
5月11日から5月15日まで
岩手県宮古市
赤前小学校
津軽石小学校
津軽石中学校
重茂半島診療所ほか
毛利貴医師(外科)、菅原一美看護師(7A病棟)、河合良和看護師(6A病棟)、阿部一仁薬剤師(薬剤科)、高橋克典事務吏員(病院総務課)
静岡県健康福祉部地域医療課
第15陣(5月5日~9日)が戻り、1日おいて慌ただしく第17陣(5月11日~15日)として出発しました。朝から雨が降り、東北地方も2,3日雨が降る予報が出ていて、被災地がより厳しい状況になるのどではないかと危惧していましたが、雨は降ったものの活動に支障はありませんでした。
医療救護班は医師1名、看護師2名、薬剤師1名、事務1名の5人体制を取りました。行程は前回と同様、長時間バスに揺られ、到着は夜7時を過ぎました。翌日から岩手県宮古市の赤前小学校救護所での診療及び周辺小中学校の避難所巡回を行いました。
2日目被災地を回ってみると、基礎だけを残し、跡形もなく流されてしまっている家屋や、2階はきれいに残っていても1階部分が根こそぎ持って行かれてしまっている建屋などの風景が延々と続いていました。前チームから被災地の状況は聞いていたものの、やはり息を飲むこの光景は忘れられません。
重茂半島の診療所へは2回行きましたが、途中で地元の保健師さんに色々と被災現場を見せていただきました。なかでも姉吉地区というところで、山肌を津波が駆け上っていった跡がくっきりと残っていました。
ここでは過去に津波被害にあった際に、教訓を込めて「ここより下に家を建てるな」と詠った石碑を見せていただきました。今回もまさにこの石碑の約50m下で津波は止まり、この集落の人たちは被害に遭わなかったということで先人の教えというものは大切なことだと教えられました。
津軽石小学校のグラウンドには、自衛隊の仮設風呂があり、周辺の避難所からは送迎バスが出ていて、被災者の方々は楽しみにやってきていました。私たちも入らせていただきましたが、お風呂は避難所での暮らしを癒してくれる生活において欠かせないものだとあらためて感じました。
小学校の校庭では急ピッチで仮設住宅の建設が進んでおり、この小学校のグランウンドで78戸の仮設住宅が建てられるということでした(最終日には完成した様子で、順次入居準備に入るとのことでした)。避難所として利用していた体育館をようやく子供たちに開放できることもあり、校長先生も一安心の様子でした。最終日は、学校の正門前に、被災者支援の方々が作った灯篭が灯され、幻想的な風景に避難者、支援者みな癒されていました。一歩ずつですが、着実に復興へ向かっていると感じた今回の派遣でした。