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更新日:2022年5月31日

細菌検査

患者さんから採取した検査材料(痰、便、膿、血液)を培養し、肺炎や下痢などの感染症を起こす原因菌を見つけ出し、どんな治療薬が有効かなどを検査しています。
院内感染を防止するため多剤耐性緑膿菌やメチシリン耐性黄色ブドウ球菌などの薬剤耐性菌の検出、頻度を調査して院内感染防止に役立てています。また、院内感染対策活動として、ICT院内ラウンド、AST活動や細菌検出時、薬剤感受性情報、耐性菌検出率などを利用し感染制御に役立てています。

染色・顕微鏡検査

細菌の大きさは数μm(マイクロメートル)であり、肉眼で見ることは出来ません。そのため通常は光学顕微鏡で1000倍に拡大した染色像(標本)を観察します。
一般的な染色方法はグラム染色で、青く染まるグラム陽性菌と赤く染まるグラム陰性菌に染め分けられます。菌体の周囲が抜けて見える夾膜が観察されるものもあります。方法としては検査材料をスライドガラスに塗り染色液で色をつけ、それを顕微鏡で見ます。
細菌の形態によって丸い菌が球菌、細長い菌が桿(かん)菌と呼ばれています。さらに球菌はその配列により双球菌、レンサ球菌、ブドウ(状)球菌、一方桿菌の中には棒状、螺旋(らせん)状、カンマ状等あり特徴的な形態を示します。

培養同定検査

培養同定検査機器

検出された菌が何であるのか菌名を決定するのが同定検査です。
検査材料を目的の細菌が発育しやすい環境(培地)に塗ります。
その培地を菌が発育しやすい環境下において約1日培養すると、細菌の独立したコロニー(集落)ができます。
乳糖や白糖等の糖分の分解性やアミノ酸の分解性、菌の持つ酵素を調べる等様々な検査をして、菌の種類を決定します。

薬剤感受性検査

薬剤感受性検査

培養同定検査で明らかになった菌がどの抗生物質が効くか調べるのが薬剤感受性検査です。
菌がどのような治療薬に有効か調べて医師に連絡します。
その情報をもとに医師は使用する薬剤と量を決定し治療を行います。

抗酸菌検査

ヒトに感染する代表的な抗酸菌は結核菌です。肺結核が疑われる患者さんの喀痰をスライドグラスの上で染色します。結核菌はチールネルゼンという特殊な染色法により赤く染めることができ、どの程度菌が含まれているか顕微鏡で調べます。
抗酸菌は(特に結核菌)培養による発育が遅く、4週間から8週間必要です。

  • 遺伝子による結核菌検査・核酸増幅法(PCR法)
    検体(喀痰など)の中の菌からDNAを取り出し検出同定を行います。
    検査開始から数時間で結果が得られます。
    PCR法は、迅速性に優れ、検出感度、特異性も高い有用性のある検査です。

新型コロナウイルス検査

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大に伴い、新型コロナウイルス遺伝子による核酸増幅法(PCR法)を24時間体制で行っています。

PCR検査機器1 PCR検査機器2