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更新日:2021年7月2日

放射線治療科

在籍医師

  • 副部長:野中 穂高(のなか ほたか)
    (専門分野)
    放射線治療
    (資格)
    日本医学放射線学会 放射線治療専門医
  • 嘱託医師:三川 秀文(みかわ ひでふみ)
    (専門分野)
    循環器科一般
    脳循環頸動脈の動脈硬化度定量測定
    (資格)
    日本内科学会認定内科医

外来担当医表(放射線治療科)

放射線治療部門

概要

放射線治療科では放射線を用いて様々ながんの治療を行っております。放射線治療は手術、薬物療法と並ぶがんの3大療法のうちの一つで、根治をめざす治療から症状を和らげる緩和治療まで幅広く行っております。放射線治療は全身的な副作用が軽く、機能や形態の温存が可能であることが特徴です。当院の放射線治療の特徴として、画像誘導放射線治療、呼吸性移動対策、定位放射線治療などの高精度放射線治療があげられます。

画像誘導放射線治療

    画像誘導放射線治療とは透視やCT画像で、腫瘍に対して照射野 (照射されるX線の範囲)を高い精度で合わせこむ技術です。
    従来の放射線治療では皮膚表面に書いたインクを目印として照射する位置を決めていました。しかし、皮膚インクは皮膚のたるみ等で動いてしまう可能性があり、その場合は照射野のずれにつながります。
    また皮膚インクを用いて皮膚表面で正確に合わせこんでも、消化管・膀胱容量の変化などの体内の変化により腫瘍が変動する場合があります。
    当院では病変に応じて照射前にOBI (on board imaging)やCBCT (cone beam CT)を用いて照合撮影を行い、画像誘導放射線治療を行っております。

呼吸性移動対策 1.胸腹部

胸部や腹部の臓器は呼吸により常に変動しています。そのため、それらの臓器を照射する場合は呼吸により移動する距離をマージンとして照射範囲に加える必要がありました。しかし、単純に呼吸性移動マージンを付与するのみでは、照射範囲の拡大により副作用の増加が懸念されます。
そこで当院では呼吸モニタリング装置を用いて高い精度の呼吸管理を行っています。その結果、最小限の呼吸性移動マージンの付加で、呼吸で変動する腫瘍に対して照射野を高い精度で合せこむ放射線治療を実現しております。

呼吸性移動対策 2.左乳房

左乳癌術後に対して放射線治療を行った場合、心臓の被ばくにより数年後に虚血性心疾患が発生する可能性があります。
当院では左乳房・胸壁に照射する場合、大きく息を吸った状態で照射しています。これを深吸気息止め照射と呼びます。この方法により左乳房・胸壁と心臓との距離が広がり、心臓の被ばく線量を大幅に軽減することが可能です。

次の2つの画像は、左乳房照射時の心臓の位置で呼気と深吸気での比較をしたものです。

 

左図は、呼気 (息を吐いた状態)では白線の照射範囲内に心臓 (赤)が一部入り込んでいます。
右図は、吸気(息をすった状態)では照射範囲内から心臓が完全に外れています。

定位放射線治療

定位放射線治療とは小さな腫瘍に対して多方向から放射線を集中させ、腫瘍に高線量を投与する照射方法です。画像誘導技術や呼吸移動対策も同時に併用し、極めて高い精度で腫瘍を狙い打ちます。体幹部では肺癌、肝細胞癌、膵臓癌、腎癌、前立腺癌のうち、転移のない早期病変が適応となります。また5個までの少数の転移性腫瘍も適応です。頭蓋内では転移性脳腫瘍がおもな適応となります。適応疾患では高い局所制御を望めます。

■ハイドロゲル挿入下での前立腺癌定位照射 (計5回、2週間で施行)
前立腺癌の放射線治療の主な副作用に放射線直腸炎があります。現時点でおいて当院では高度放射線治療の技術を用いて許容範囲内の発生頻度、重症度を実現しています。当院ではさらに直腸の副作用を抑えるためにハイドロゲルを直腸と前立腺の間に留置し、両者の距離を広げて、直腸被ばくを抑える手法を2021年1月より開始いたします。ハイドロゲルを留置する手技は外来 (日帰り)で行います。また照射方法も7.25Gy×5回 (隔日照射、2週間)を採用し、患者様の通院のご負担の軽減に努めております。
*ハイドロゲル挿入下での前立腺癌定位照射については、一部で適応のできない場合がございます。ご不明な点がございましたら、当科までご連絡ください。

前立腺癌定位照射

上記の図はハイドロゲルの有無による直腸線量の違いを示しています。左の図では高線量が照射される領域 (ピンク)に直腸の前壁が含まれており、直腸炎が懸念されます。一方、右の図ではハイドロゲルにより前立腺と直腸との間隔が広がり、直腸が高線量域から外れています。その結果、直腸炎のリスクが軽減しています。