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更新日:2024年5月29日

眼科

紹介

当科は富士市での高度医療および救急医療を担う総合病院の眼科として、二次救急の受け入れや、ドライアイ、眼瞼内反症、翼状片、白内障、ブドウ膜炎、緑内障、糖尿病網膜症、加齢黄斑変性症、網膜静脈閉塞症等といった眼科一般疾患の治療を手術も含め行っています。眼瞼痙攣、片側顔面痙攣に対しては、ボツリヌス治療を行っています。
治療をつくしても、残念ながら現代の医療では改善が期待できない場合もあります。その場合に残された視力・視野を少しでも有効に活用できるように遮光レンズ、ルーペ、拡大読書器等の補助具を紹介するロービジョン外来も行っています。

在籍医師

  • 部長:藤谷 暢子(ふじたに ようこ)
    (専門分野)
    眼科一般
    (資格)
    日本眼科学会専門医
    視覚障害者用補装具適合判定医師研修会修了
    (所属学会)
    日本眼科学会
    日本眼科医会
    日本ロービジョン学会
    日本眼炎症学会
  • 副部長:渡辺 勝(わたなべ まさる)
    (専門分野)
    眼科一般
    日本眼科学会専門医
    (所属学会)
    日本眼科学会
    日本眼科医会
    日本網膜硝子体学会

外来担当医表(眼科)

診療内容

特色

当科の特色は、総合病院であることを生かした、他科との連携した医療です。
糖尿病の患者さんに関しては、内科医と連携を取り合い、血糖コントロール、腎・肝機能障害を考慮した蛍光眼底撮影、網膜光凝固、白内障・硝子体手術を行っています。
人工透析中の場合でも、入院中当院で透析が円滑に行えるよう、透析室・腎臓内科医と協力し、治療にあたっています。
また、硝子体手術は山梨大学から網膜硝子体専門医を招き、少数ながらも万全の体制で行っています。白内障手術は、片目につき1泊2日の入院または日帰りで行っています。ワーファリンやバイアスピリンなどの内服を行っている場合も、基本的に休薬することなく手術を行っています。入院での手術を希望される患者さんが開業医の先生から紹介されることもあります。持病がある患者さんや進行した白内障であったり、他の眼疾患をお持ちのハイリスクな患者さんが多くいらっしゃいます。
手術に対する不安が強い方や痛みに敏感な方に対しては、低濃度笑気麻酔を併用する局所麻酔手術も行っています。
また麻酔科医の協力の下、小児眼科手術、斜視手術や局所麻酔手術ができない方の手術を全身麻酔下で行っています。

実績

 

延入院患者数

延外来患者数

手術件数

救急患者数

令和4年度 673人 10,691人 250件 21人
令和3年度

640人

10,039人 229件 11人
令和2年度 726人 9,897人 217件 17人

その他

主な病気の治療について

アレルギー性結膜炎、ドライアイ、角膜潰瘍、翼状片、眼瞼内反、斜視、弱視、白内障、緑内障、視神経炎、黄斑円孔、加齢黄斑変性症、網膜静脈閉塞症、網膜前膜、糖尿病網膜症、眼瞼痙攣などの治療を行っています。

白内障手術

当院での白内障手術は事前に十分にご説明した上で、安全な手術を心がけています。また、通常の方法では困難な難症例にも対応しております。
なお、安全性を考えて両眼同日手術は行っていません。
また、当院では多焦点眼内レンズも採用しております。眼鏡の必要性を減らすことができますが、通常の単焦点眼内レンズと比較して眼の中に入ってきた光を複数に振り分けるため、見え方の質が劣ってしまう可能性があります。さらに角膜疾患や網膜疾患、緑内障、小瞳孔、非常にご高齢の方などは見え方の質がさらに劣ってしまうため非適応となることがあります。適応や費用、見え方など詳しくは担当医とご相談ください。
白内障に緑内障を合併している方は、白内障手術と同時に侵襲の少ない緑内障手術(iStentなど)を併施することがあります。こちらも詳しくは担当医とご相談ください。

白内障手術の費用比較2

緑内障手術

緑内障では進行の予防のために眼圧のコントロールが不可欠です。眼圧を下げるためにまずは点眼治療を行いますが、それでも視野障害が進行するようであれば手術を選択します。緑内障手術はあくまで眼圧を下げ今後の視野障害の進行を抑える手術ですので、白内障手術とは異なり、見やすくなる手術ではありません。
緑内障手術は数種類の術式があります。目の状態により最適な手術法を選びます。
なお、緑内障は特に術後の眼圧管理が非常に大切ですので、退院後も外来での診察・処置は必須となります。

網膜硝子体手術

硝子体手術とは硝子体という透明なゼリー状の組織を除去し、網膜硝子体の病気を治す手術です。網膜前膜、黄斑円孔、硝子体出血、裂孔原性網膜剥離、増殖性糖尿病網膜症、水晶体亜脱臼、眼内レンズ脱臼などが適応となります。
手術では強膜(白目の部分)に小さな穴を3-4カ所開け、そこから細い器具を眼内に挿入し硝子体を切除して網膜病変の治療を行います。術後症例によっては10日間程度の体位制限(うつぶせや横向き等)が必要です。

斜視手術

斜視は小児期に発症すると視機能の成長に悪影響を及ぼし、弱視の原因となります。また、成人の方に起こった場合複視を自覚したり、時に外見上のコンプレックスを感じてしまうことがあります。
当院では視能訓練士と眼科専門医が連携し、診療内容を十分にご説明した上で、治療方針を決定します。
なお、斜視の手術は原則、全身麻酔で2泊3日の予定で行っております。

その他の治療について

ロービジョン外来

※レーシック等の近視手術、一般コンタクトレンズ処方、角膜移植、涙嚢鼻腔吻合術、緊急硝子体手術、加齢性黄斑変性症に対するPDT治療は行っていません。

受診の際には

  • 受付時間・休診日は、外来診察案内のページをご覧ください。
  • 眼科の検査は8時30分から、診察は9時00分から開始します。
  • 他院に通院していた場合は、紹介状をお持ちください。眼科以外のかかりつけ医からの紹介状でも構いません。紹介状がない場合も受診できますが、初診時に特定初診料がかかります。
  • コンタクトレンズを使用している場合、受診当日は、なるべく眼鏡で来院してください。コンタクトレンズを装用したまま来院した場合、診察前に必ず外しますのでケースをお持ちください。ケースを忘れた場合は、売店で購入していただきます。
    眼内レンズを決める検査の前には、コンタクトレンズが1~2週間程度装用できない期間がありますので、ご注意ください。
  • 病気によっては、散瞳検査が必要です。散瞳後は見にくくなるため、3~4時間は車の運転を避けていただきます。

よくあるご質問

  1. 白内障手術は早くやった方が良いですか?
    白内障は目薬で良くなることはないので、白内障が原因で見にくくなって日常生活が不自由になれば、手術をお勧めしています。
    進行しすぎると、眼底検査ができなくなったり、手術が難しくなりますが、早い程良いということはありません。
  2. 中央病院での白内障手術はどのような日程ですか?
    手術日は、月曜午後または火曜午後です。
    当日午前中に入院し、病室で昼食をとります。
    日帰り手術の場合は、手術後病室で1時間安静にしてから退院します。
    翌朝に外来を受診していただきます。
    1泊入院の場合は、翌朝、病棟回診後に退院します。
  3. 眼科で検査後、目が黄色くなりました。なぜでしょうか?
    フローレス試験紙で目を染めたためです。これは、角膜や結膜の傷を見たり、眼圧を測る時に使います。気をつけてはいますが、そのためにマスクが黄色く染まってしまうこともあります。申し訳ありませんが、ご理解ください。
    診察後、すぐにコンタクトレンズをつけると、レンズも染まってしまいますので、ご注意ください。
  4. 散瞳したら、見にくくなると言われました。どのくらいですか?
    点眼で瞳孔を大きくすることを散瞳といいます。眼球の内側を見るのが眼底検査ですが、散瞳することにより、広範囲の眼底が観察できる大事な検査です。
    散瞳している時には、いつもより眩しかったり、見にくくなりますが、院内を歩けない程ではありません。しかし、念のため、ご自分での運転は避けるよう、お願いします。
    散瞳持続時間は個人差がありますが、通常3~6時間です。
  5. 眼の手術は怖いので全身麻酔でお願いしたいのですが?
    全身麻酔は「寝ている間に手術が終わっている」というイメージがあるようですが、術後、想像より辛いかもしれません。全身麻酔の手術の方が、身体への影響は大きくなります。
    怖さを和らげる方法として、局所麻酔に低濃度笑気麻酔を併用する方法があります。また、周りのスタッフが手を繋いだり、お話しをしたり、音楽をかけたり、緊張を和らげるお手伝いをすることができますので、担当医と相談してください。
  6. 手術をどこで受けるか、悩んでいます。
    治療は患者さんと医療者との二人三脚です。できれば何回か受診して、この病院なら、この医師なら、自分と一緒に歩んでくれると思える病院で手術を受けるのが良いと思います。
    望んでいる手術をできるかどうかは、ホームページを見たり、電話で問い合わせるのも良いでしょう。
    当科では、大事な目を預けていただく患者さんの信頼に応えられるよう、スタッフ一同誠実に取り組んでいきます。