ここから本文です。
更新日:2024年11月8日
当院では、転倒や交通事故による四肢の骨折と多発外傷、高齢者の大腿骨頚部骨折などの救急診療、治療と、変形性股関節症や変形性膝関節症などの慢性疾患に対する一般診療を行っております。
高齢者の骨折手術では長期的なリハビリが必要であり、医療ソーシャルワーカー(Medical Social Worker)や地域連携病院との連携を図り、長期的なリハビリが行えるように調整してまいります。変形性膝関節症、変形性股関節症の人工関節手術では、積極的なリハビリ介入を行い、早期自宅退院を目指しております。膝半月板損傷、膝前十字靭帯損傷などに対する関節鏡手術も行っております。
専門分野
資格
所属学会
専門分野
資格
所属学会
専門分野
資格
所属学会
専門分野
所属学会
専門分野
所属学会
専門分野
所属学会
延入院患者数 | 延外来患者数 | 手術件数 | 救急患者数 | |
---|---|---|---|---|
令和4年度 | 13,700人 | 9,160人 | 500件 | 593人 |
令和3年度 | 13,758人 | 9,729人 | 454件 | 550人 |
令和2年度 | 12,323人 | 9,642人 | 405件 | 531人 |
加齢により膝関節の軟骨が変性し、すり減って変形することで痛みや動きの制限を生じる慢性疾患です。原因として肥満、O脚やX脚、膝の外傷などがあげられます。
治療法は保存療法として、運動療法・薬物療法・装具療法・生活習慣の指導といったものがあります。これらを併用して治療しても痛みが続く場合は手術を考慮します。当院では、患者さんの膝関節の状態やライフスタイルに応じてオーダーメイドの治療を提供しています。以下に当院で行っている主な治療方法をご紹介します。
骨を切り適切な位置に調整することで膝の負担を分散させる手術です。この手術は特に若い患者さんで関節の変形が軽度な方に有効で、膝関節の機能を長期間にわたり保つことが期待されます。
膝関節の一部のみが損傷している場合に行われる手術です。膝関節の健康な部分を残し、損傷した部分のみを人工関節で置換します。UKAは以下のような利点があります。
TKAは、膝関節の全体が損傷している場合に行われる手術です。膝関節の全ての面を人工関節で置換し、膝の機能を回復させます。TKAは以下のような利点があります。
股関節の軟骨が変性し徐々にすり減り、骨が変形することで痛みを生じる慢性的な疾患です。関節の痛みや動きの制限を引き起こし、日常生活に大きな影響を及ぼすことがあります。主な症状には下記が挙げられます。
変形性股関節症の原因は多岐にわたります。我が国では乳児期の股関節脱臼や寛骨臼形成不全を原因とした二次性股関節症が多いと言われています。それに加え、加齢に伴う関節軟骨の自然な劣化が大きな要因となります。また、家族に同じ症状を持つ人がいる場合、そのリスクが高まります。体重も重要な要因であり、過度の体重は股関節に負担をかけ、軟骨の劣化を促進します。さらに、過去の関節の怪我や手術が股関節症の原因となることがあります。
治療法は薬物療法、運動療法(太ももの筋肉を鍛えるトレーニング)、生活指導(杖の使用やダイエット)などを併用し保存療法を行います。保存療法を行っても、痛みが続く場合は人工股関節置換術(THA)などの手術加療を行います。
人工関節手術とは、変形したり破壊された関節を図の様な金属とプラスチックにより作られた人工関節に取り替える手術のことを言い、骨盤に人工臼蓋を、大腿骨に人工骨頭を設置します。近年、人工股関節におけるテクノロジーや手術技法、術後管理システムは大きく進歩しており、手術の安全性、確実性の点でとても信頼できる治療法となっています。
当院では従来から行われている後方進入法(大腿骨の後ろから股関節にアプローチする方法)
に加え、筋肉を切らずに行う前方最小侵襲手術も行っており、患者さんのニーズに合わせて治療を提供しています。
前方最小侵襲手術とは、従来であれば切離していた筋肉・腱などを温存できるため脱臼率が低く、早期からリハビリ・歩行を行うことができます。しかし、必ずしもすべての患者さんに適応できる手技ではございません。体型、股関節の状態、健康状態などにより、このアプローチが適用されない場合もあります。詳しくは主治医とご相談ください。
病院だよりVol.59(令和5年1月20日発行)関節鏡手術~より早く、より安全に~
変形性関節症は早期の診断と適切な治療が重要です。当院では、最新の医療技術と専門的な知識を活かし、患者さんに最適な治療を提供します。膝関節、股関節の痛みや違和感を感じた際は、ぜひ当院にご相談ください。
大腿骨近位部骨折とは高齢者の転倒や転落のような軽微な外傷によって太ももの付け根に痛みが生じて発見されます。大腿骨近位部骨折には大腿骨頚部骨折と大腿骨転子部骨折があり、
骨折の場所によって大きく2つに分けられます。
(日本整形外科学会ホームページより引用)
これらの骨折を放っておくと痛みで寝たきりになるリスクが高く、寝たきりになることで体も弱くなり様々な病気にかかってしまいます。
寝たきり予防のため大腿骨近位部骨折は可能であれば早期に手術をすることが推奨されています。国の方針で2022年から大腿骨近位部骨折は受傷後48時間以内の緊急手術が推奨されるようになりました。
当院では年間に約200件の大腿骨近位部骨折の患者さんが受診され、可能な限り早期の手術に取り組んでいます。
大腿骨頚部骨折
大腿骨転子部骨折
また、大腿骨近位部骨折は骨粗鬆症がベースにある骨折ですので、骨粗鬆症治療も導入します。
治療が落ち着き、あとはリハビリをするだけの段階になれば、当院と連携しているリハビリに特化した病院へ転院し充実したリハビリを受けて退院することができます。
当院は交通事故などの激しい四肢外傷の患者さんも受け入れています。四肢の高度の変形を伴う骨折や、開放骨折の場合もあります。そのような場合はStaged surgeryといって複数回にわたっての手術が必要になることもあります。
当院では第一段階の手術に必要な創外固定(皮膚の外で骨を固定する手術)や内固定材の機材を常備しており、緊急で手術が可能です。この手術によって骨折による変形を整え、軟部組織のダメージを最小限に防ぐことができます。
創外固定で軟部組織の状態が落ち着けば最終的な固定の手術を行います。