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更新日:2025年11月6日

放射線治療科

紹介

放射線治療は、手術や化学療法と並んでがん治療の三本柱と呼ばれています。当院では、がんをなくすことを目指す根治治療や、痛みなどのがんによる症状を和らげる緩和治療などを幅広く行っています。放射線治療の特徴として、身体への副作用が比較的少なく、臓器の機能や形態の温存が可能です。

当院では2025年11月、新しい放射線治療装置TrueBeam(バリアンメディカルシステムズ社)を導入しました。新しい装置では、がんに高線量の放射線を集中させながら周囲の影響を最小限に抑える「定位放射線治療(SRT/SBRT)」、がんの形に合わせて放射線を細かく調整する「強度変調放射線治療(IMRT)」、装置が動きながら短時間でIMRTを行う「強度変調回転照射(VMAT)」、これらの高精度な技術を効率的に行うことができます。従来の装置よりも、より精確に、しかも短時間で治療を行い、患者さんにより安心で負担の少ない治療を提供できるようになりました。

在籍医師

医長:岡林 俊(おかばやし しゅん)

専門分野

  • 放射線治療

資格

  • 日本医学放射線学会放射線治療専門医
  • 日本専門医機構放射線科専門医
  • 放射線科研修指導医

所属学会

  • 日本放射線学会
  • 癌治療学会
  • 日本放射線腫瘍学会

医員:江本 瑞希(えもと みずき)

専門分野

  • 放射線治療

所属学会

  • 日本医学放射線学会
  • 日本放射線腫瘍学会

 

外来担当医表(放射線治療科)

診療内容

対象疾患

  • 悪性腫瘍(がん)全般
  • ケロイド、甲状腺眼症など一部良性疾患

治療の流れ

  1. 診察
    主治医の紹介から始まります。放射線治療医があらためて診察を行い、放射線治療の適応や、最適な治療方針を検討します。
  2. シミュレーション、CT撮影
    放射線治療計画を立てるためCT撮影を行います。撮影の際は、実際の治療と同じ姿勢をとっていただき、必要に応じて体を安定させるための固定具を作ります。また、照射する位置を正確に再現できるように体の表面にマークをつけます。
  3. 治療計画の作成
    CT画像を用いて、照射範囲や線量・回数などを決定し、最適な照射プランを作成します。その後、正しく放射線が照射されるか検証します。そのため、実際の治療開始まで数日~1週間程度お時間をいただきます。
  4. 放射線の照射
    一回の治療は概ね15分程度ですが、照射の方法により長くなる場合があります。

治療の期間中は、定期的に診察を行い、副作用が出ていないかを確認します。必要があればお薬の処方や、処置を行います。
治療する場所によっては、尿をためていただくなど患者さんご自身にご協力いただくこともあります。

放射線治療技術

当院では以下の放射線治療技術を駆使して、高い精度で治療が可能です。
(ご病気の場所や状況により適切な方法を選択するため、使用しない場合もあります。)

  • 画像誘導放射線治療(IGRT)
    CT画像等で、腫瘍に対して照射野を高い精度で合わせこむ技術です。症例に応じて照射前にOBI(on board imaging)やCBCT(cone beam CT)を用いて照合撮影を行い、画像誘導放射線治療を行っています。
  • 呼吸移動対策
    胸部や腹部の臓器を照射する場合は、呼吸による移動も加味して照射する必要があります。しかし、それでは照射範囲の拡大による副作用の増加が懸念されます。
    そこで、当院では呼吸モニタリング装置を用いて呼吸管理を行っています。その結果、呼吸移動する腫瘍に対して高い精度で照射範囲を減らした治療が可能となっています。
  • 定位放射線治療(SRT/SBRT)
    比較的小さな腫瘍に対して多方向から放射線を集中させて照射方法です。ピンポイント照射とも呼ばれ、周囲の正常組織の影響を抑えながら、標的に高い線量を投与が可能です。この方法により腫瘍に対して高い治療効果が期待できます。
  • 強度変調放射線治療(IMRT)、強度変調回転照射(VMAT)
    腫瘍の形状に合わせて放射線の強度を変化させ、正常な組織への影響を最小限に抑えながら放射線を照射する技術です。これにより、治療効果を高めつつ、副作用を軽減することが期待できます。さらに装置が動きながらIMRTを行うことにより、短時間での治療が可能となっています。

治療実績

  令和4年度 令和5年度 令和6年度
総治療人数(人) 232 233 237