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更新日:2024年9月27日
院内で撮像されたCT、MRI、核医学検査、超音波検査、レントゲンやマンモグラフィなど、あらゆる画像検査の画像診断・結果判定を行い、可及的速やかに画像診断報告書を臨床医の先生方にフィードバックし、画像診断を通じて診療に携わります。迅速に、かつ正確な報告ができるよう努めています。
専門分野
資格
所属学会
画像診断には二つの要素があります。一つは画像に現われている異常な(正常でない)所見を拾い上げることであり、もう一つは拾い上げた異常所見の解釈です。拾い上げた異常所見が示唆する疾患を複数想定し、患者さんの背景因子や血液検査データ等ともつき合わせて推理し、鑑別診断を行っていきます。そして、画像診断にて疾患の確定ないし推定ができた場合には、適切な治療方針または次に必要な検査の呈示を行います。当該疾患についての画像の理解はもちろん、疾患の病態生理、診断方法や治療の知識を有する事ではじめて適切なフィードバックが可能となるため、われわれ放射線科医は画像の勉強と共に疾患関連の知識を増やすべく日々努力しています。
病院内で行われる診療全般には安全装置が必要です。ここで大きな役割を担うことが可能であるのが、放射線科医(画像診断医)です。なぜなら、各臨床科の縦割り組織の中で、業務の性質上全科に横断的に日常的に関与するのが画像診断医であるからです。全ての医療用画像が、主治医以外の画像診断を専門とする画像診断医によって評価・診断され、画像診断医によって診断報告書が主治医に対して発行される。これを主治医が批判的に検証しつつ、診療活動の参考にすることによって、医療の安全性・正確性を高めようとするシステムです。欧米では画像診断医をDoctor’s DoctorやDoctor of Doctorと称することもあります。われわれ放射線科医は当院の診療レベルの維持・向上を担っているという気概をもって日々診療に当たっています。
当院では病診連携による画像診断も施行しています。一般に診療所や小規模病院では、当院で保有するような高性能の高額医療機器を完備することは困難です。このため、主治医の依頼に応じて、これらの施設で診療を受けている患者さんに対して、当院が保有するCT、MRI、超音波、核医学検査などの画像診断を提供しています。これにより、当院の臨床科を受診せずとも精度の高い画像診断が可能となります。われわれ画像診断医にとっても、検査症例数が増えることは非常に喜ばしいことです。
画像診断機器の飛躍的な発達により、放射線科は放射線治療のみならず、医療画像全般の実施・診断、さらに画像を利用した疾患治療(Interventional Radiology; IVRと略称します)を担当しています。 IVRはa)診断のための手技と、b)治療目的の手技、に大別されます。
a)診断のためのIVR
ある病変が発見された場合に、その組織を直接採取して病変の確定診断を行うことが必要な場合に施行されます。具体的には、超音波画像やCT画像にて病変の局在を正確に同定し、組織を採取する器具(一般的には細い針が用いられます)を病変に誘導して病変組織を採取(組織生検)します。われわれが対象としている臓器は、脳・心臓を除くすべての臓器に及びます。このほか、標的臓器を還流した静脈内へカテーテルを挿入し、局在の静脈血を採取することで、病変の質的診断を行う静脈サンプリングも診断のために施行される手技であり、当院でも施行されています。
b)治療目的のIVR
従来は手術でしか治療できなかった疾患、適切な治療方法が存在しなかった疾患が、IVRの発達に伴い治療可能となってきており、IVR治療の対象となる疾患の種類は年々増加しつつあります。対象となる疾患は、肝腫瘍をはじめとする腫瘍性病変、膿瘍等の感染性疾患、動脈瘤や動脈奇形等の血管疾患、臓器外傷による大量出血など多岐に渡ります。これらIVR治療は手術と比較して、患者さんの体に与える負担が格段に少なくて済むのが大きな特徴です。
当院の放射線科では幅広いIVR治療を施行しています。代表的な治療として、腫瘍に対してカテーテルという細い管を血管に挿入し抗癌剤や塞栓物質を直接注入する治療、喀血に対する止血術、動脈瘤や動脈奇形・静脈奇形等の塞栓術、外傷による臓器損傷や骨折に伴う大出血に対する塞栓術、病巣を直接穿刺して焼灼する治療、膿瘍などの感染性疾患に対しカテーテルを留置して膿汁を排泄し治癒せしめる治療(ドレナージ)、透析中の患者さんの透析シャント不全の原因となる血管閉塞・狭窄に対する拡張術などが挙げられます。
近年では、後述する肩関節のカテーテル治療も行っています。
放射線科では、他の診療科と連携のもと、あらゆる画像下治療(IVR: Interventional Radiology)を施行していますが、特徴的な治療として下記のものが挙げられます。
肩関節周囲炎に対する経カテーテル的動脈塞栓術について
かかりつけ医がいる場合
かかりつけの医療機関から当院地域医療連携センターを通じてFAX予約をしていただき、紹介状を持参のうえご来院ください。(紹介予約)
かかりつけ医がいない場合
事前に医事課へご連絡のうえ、直接、ご来院ください。
令和4年度放射線科画像診断業務
CT |
MRI |
RI |
US(エコー) |
血管造影 |
---|---|---|---|---|
31,006例 |
8,798例 |
957例 |
1,891例 |
1,377例 |
令和3年度放射線科画像診断業務
CT |
MRI |
RI |
US(エコー) |
血管造影 |
---|---|---|---|---|
31,973例 |
8,526例 |
984例 |
7,307例 |
1,332例 |
令和2年度放射線科画像診断業務
CT |
MRI |
RI |
US(エコー) |
血管造影 |
---|---|---|---|---|
27,372例 |
6,726例 |
799例 |
6,911例 |
1,230例 |